目が覚めるとなぜか蕎麦屋に居た

一ノ瀬 彩音

第1話 蕎麦屋

私のお名前は美羽美咲ミハネミサキで年齢16歳、

職業がフリーターです。


私は秋葉原に来ていて具合悪そうにしていたら、

その場で倒れ込んでいたはずでした。


しかし、私が目が覚めるとここはどう見ても店内でした。


「ここは何て言うお店何だろう、どうしてここに居るのかな」


そうしていると、一人の女性が私の傍に来たら

「目が覚めたのかい、大丈夫?」


「はい、大丈夫です」


「それならいいけど、若い女性が道端で倒れているとあぶないよ」


「はい、ごめんなさい」


「それにしても元気がないね」


「元気ないように見えますよね」


「見えるね、どうしたんだい?」


「実は具合悪いまま秋葉原に来てしまって」


「そうだったんだね」


「それよりここのお店は何ですか?」


「ここはね、蕎麦屋だよ、蕎麦屋」


「蕎麦屋………………」


私はそう聞くとお腹が急に鳴りだして恥ずかしい気持ちになった。


それにしてもこの女性がここのお店まで運んでくれたのかな。


そうだとしたらお礼を言わないといけない。


「すいません、貴方がここまで私を運んでくれたんですか?」


「そうだよ、私は困っている人を見捨てる事が出来なくてね」


「あ、ありがとうございました」


「それよりお腹が鳴っていたし、蕎麦でも食べるかい?」


「えっと、お金がないんです」


「別にお金はいらないよ、困っている時はお互い様でしょ」


「はい」


一人の女性は厨房に行くと料理をしているのでした。


私はじっと出来上がって運ばれてくるのを待つ事にしたのです。


しばらくすると女性は出来上がった蕎麦を私の元へ持ってくると

私の座っているテーブルの上に置いた。


「冷めないうちにお食べ」


「はい、ありがとうございます」


私は蕎麦を一口食べると

「美味しい蕎麦ですね、こんなの食べた事ないです」


「そりゃあ、美味しいよ、ここの蕎麦屋は日本一美味い蕎麦屋だよ」


「そうだったんですね」


私はどんどん蕎麦を食べていくとあっという間に完食したのです。


「本当に美味しかったです、ありがとうございました」


「それは良かったよ」


「それよりどうして救急車を呼ばないでここに運んだんですか?」


「それを聞いちゃうのかい」


「だって普通は倒れている人を見たら、救急車を呼ぶのが普通かなって」


「確かにそうだね、でもね、私には目的があるんだよ」


この女性の言っている目的とは一体何なんでしょう。


私にはよくわからないし、理解も出来そうになかった。


「目的って何ですか?」


「目的はね、若い女性のパンツをもらう事ね」


「若い女性のパンツ………………」


この人の目当ては私のパンツだったのね。


私はとんでもない蕎麦屋に来てしまった。


どうにかしてこの蕎麦屋から出ないとまずいような気がしてきた。


「そうだ、蕎麦のお代はパンツでいいよ」


「それは出来ません、無理です」


「無銭飲食になるよ」


「そ、それも困ります」


私はどうにかしてここから脱出しないといけないけど、蕎麦を食べた以上は

お代をどうにかしないといけない。


そのためにはパンツを差し上げるというのは抵抗があります。


しかし、そんな事を言っている場合じゃないのも事実。


私は決心する事にしたのです。


「わかりました、蕎麦をお代として私の穿いているパンツを差し上げます」


「あらぁ~、ありがとうね」


私はスカートをたくし上げるとパンツを脱いで

そのパンツを女性に差し上げました。


「これで蕎麦のお代はもういいですよね」


「どうもありがとうございました」


私はさっさとこの蕎麦屋から出ると

「この蕎麦屋って秋葉原駅から近い所にあったのね」


ただ、蕎麦は本当に美味しくてまた来てもいいかなって思いました。


今度来る時はしっかりとお金を持ってこようと思います。


それにしても秋葉原って食べ物屋が増えたな~と実感しました。


そういえば、蕎麦屋のお店の名前を見るの忘れた。


また秋葉原に来る事があれば、別の蕎麦屋にも行きたいわ。

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目が覚めるとなぜか蕎麦屋に居た 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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