第7章 帰還
僕とニーノは歓迎された。
街の人たち、お城の人たち、そして王オベロン。
大勢が僕たちの帰りを迎えてくれている。
ニーノも僕の隣で凄く嬉しそうな笑顔で答えている。
僕は、
さっき手に入れたアイテムで頭がいっぱいだった。
(えーと、光カードが5つと石が120個、それと・・)
僕は心ここにあらずで歩きながら
皆が称える中、オベロンの元へたどり着く。
「よくやった」
オベロンは笑顔で言う。
「はい!これもすべてりょう様のお陰です!」
とニーノは地面にひれ伏して言う。すると
「お前もだ、ニーノ」
と言い、オベロンはニーノに手を貸して立たせる。
「え?!」
ニーノは驚いて、緊張して固まる。
尊敬するオベロンに褒められて照れているようだ。
「そうだよニーノ。君のアドバイスのお陰だよ」
と僕も言う。
ニーノは涙ぐみながら
「あ、ありがとうございます!光栄です」
と喜ぶ。
そして僕とニーノは城へ招かれ、宴に参加した。
その間、僕は早くスマホゲームのウラニア・ユミールで
アイテムの合成がしたかった。
何と何を合成しようか考えてると、
「勇者りょうよ」
と、オベロンが話しかけてくる。
「はい」
僕は合成用のメモ用紙を置いて答える。
「君のお陰で本当に助かった」
と言ってくれる。
「いえ、そんな」
僕は謙遜して見せる。
オベロンは宴のジュースらしきものを飲みながら
「メドンはこの国の代々伝わる大切な物を盗んだ、罰を受けて当然だ」
と僕に言う。
更に
「あの書物、私の家族の歴史書でな、先代から受け継がれるものだ」
「そうなんですね」
僕は答える。
「あとは」
(盾の事かな?)
僕は正直、盾が凄く欲しかった。
「君の手に入れたものは君のものだ、好きにしていい」
「やった!」
と僕は思いっきり喜ぶ。
「ただし、剣は置いていってほしい」
(え?)
「それはふさわしき勇者を探すために、お前の元に行ったものだ、だから再びその時が来たら、この剣が勇者の元に戻るだろう」
僕はオベロンの言うことがよく解らなかった。けど
その他の物が魅力的すぎた。
盾もだけど、その他のレアアイテムの数は500を超える。
もしこれを現金やガチャに換算したら1000万円は超えると思う。
家にはWiFiもあるから、前のスマホ使えば問題なくゲームできるし。
(やっぱり盾が欲しい!)
「いいですよ」
僕は答える。
反対する理由はなかった。
僕は青の剣、すなわちスマホをウラニアに置いていくことにした。
そして
僕は見送られた。ウラニアの英雄として。
歴史に残る。伝説の勇者
りょう。
さようなら、ニーノ、
さようなら、ウラニア。
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