僕と彼女と決定
どうしたい?
ぼくの彼女はいちもぼくにこう聞いてくる
出先でお店に入ろうか提案しても、今日の夕飯を決めるときも、ぼくの方から誘った時もいつも彼女は決断をしない
ぼくの意見にばかり従っていて、嫌にならないのかきいてみたかったが、なんとなく聞くタイミングを失いずっと聞けずじまいだった
ぼくは彼女と結婚してもいいと思っている
でも結婚したとして家を建てようかとか子供は作ろうかとかその先ずっと彼女は決断をぼくに任せるのだろうか
そうなったらぼくと彼女の間には、なにか不協和が起きてくるんじゃないだろうか
このことがずっと引っかかりぼくはまた彼女に言い出せずにいた
どうしたい?
ずっとこう聞かれ続けると自分が本当は何をしたいのか時々分からなくなった
海に行きたかった 彼女に綺麗な海を見せられたらと思ったからだ
彼女を喜ばせたいという気持ちはぼくの中に確かにあったはずなのに
ぼくがその感情を改めて手の中で転がしてみてみるといま自分が手に持って眺めているこれは一体なんなのか
ぼくの頭の中にはぼくのかわりに物事を考えてくれる小人が居るはずなのに、何かの拍子にみんなぼくの頭の中から流されてしまったようだ
大切な決断をしてくれる小人の重役も流されてきたビルに押しつぶされてしまった
そしてもう帰っては来られないだろう
なぜならその小人は押しつぶされてしまったから
別の重役を連れてこないと
何かにつけて決断といのは重要だ
会社で働くにしても頭を使うというのは一つ一つの決断の繰り返しだからだ
でももうぼくには小人がいないのだ
次の小人が来るまでぼくは家で布団にくるまって待っているしか無いのだ
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