第5話 社会に出て始まったトラウマ
高校を退学すると、しばらくは家に引きこもっていて、当時付き合っていた男性と別れたばかりで、塞ぎこんでいた。春になり、何か仕事をした方が良いと思い、母が前に勤めた事のある、小さな会社に紹介をしてもらい、1週間だけ研修期間をもらい、働いてみるも、うまく仕事がこなせず、1週間で終わってしまった。その頃、父と母が離婚するかしないかの瀬戸際にいて、ある出来事をきっかけに、母と、私には10歳離れた兄がいたので、母の実家のおばさんから、いろいろと手助けをしてもらい、生まれ育った家を出て、3人でアパートに引っ越しました。引っ越してすぐに、近くにある食品製造の会社に、準社員で就職をしたのですが、そこでも、いじめがありました。
偶然にも、仲の良かったMさんも、高卒ですぐに社員として就職をしていたので、Mさんと仲の良い人を紹介してもらい、部署は違いましたが、お昼は一緒に食べたりしていました。初めての社会人としてのちゃんと就職しての仕事で、右も左もわからず、教えてもらいながらやっていたのですが、手先が不器用な私は、思うように仕事をこなせず、1人のおばちゃんから、目の敵のように嫌味やいびりのような事を言われ、今で言うところのパワハラでした。その事を、お昼の時に紹介してもらった人に話しをしていたのですが、ある日、せめて自分に出来る事を一生懸命しようと、品物を倉庫からだし、数えてバットという大きなカゴのような物に、移している時の事、お昼に仲良くしてもらっていたその人から、『邪魔だよ!どけ!』と突然、台車ごと蹴飛ばされ、いきなりいじめを受けるようになったのです。邪魔なところで仕事をしていたわけでもなければ、その人たちに邪魔になる事をしたわけでもありません。何が気に入らなかったのか、知るよしもなく、私がお昼に愚痴をこぼしたおばさんの話しも、そのおばさんに全部言われていて、そのおばさんからも、いじめのようにいびられるようになりました。
当時、暮らしていたアパートの隣人さん、Tさんと言います、その方の兄が、そこの会社の上役で、本社から派遣されて来ていたのですが、Sさんと言います、Sさんから、私がとても頑張っていると高く評価を受けていた事を、Tさんに聞かされ、そのいじめといびりは、もしかしたら、入社して間もない私が、そのように高く評価された事が、ずっと前から働いていたその人たちには、心良く映らず、妬まれひがまれたのかもしれません。そんな日々が続き、とうとう精神がおかしくなった私は、ヒステリーのようになり、ある夜中、気持ち悪くなり、トイレで吐き、それが止まらなくなってしまい、母に抱えられ、アパートから10分ほど歩いた先の病院まで、途中、公衆トイレに立ち寄り、吐きながら、救急に駆け込みました。ほどなくして、出社すると、目の前が歪み、目眩が止まらず、気持ち悪くなり、仕事が出来なくなっていきました。それでも、周りには、私を応援してくださる方、味方してくださる方もいらっしゃったので、何とか仕事を続けましたが、ある日重い物を持ち運びする事が仕事の中にあって、それが祟ってぎっくり腰になり、1週間以上休む羽目になり、会社からは、これ以上休むなら辞めてもらうと言われ、辞める他ありませんでした。
そうして、さくらんぼのバイトをしたり、コンビニでもバイトをしましたが、勝手がわからず、同じく入った人は、どんどん覚えて仕事をしていくのをよそに、私は覚える事もできず、出来ない事がおもしろくないと店長からいじめられるようになり、また仕事を辞めてしまいました。
その頃、車の免許も取れず、ど田舎で暮らすには、車が無ければ仕事に行く事すら出来なかったため、途方に暮れていた時、兄の勤め先の会社も潰れてしまい、兄が困って、父に助けを求めに行こうとしていたのを知らずに、実家に忘れたものを取りに行きたかった私は、兄が父のところに行く事を聞き、取りに行きたいからと、ついでに兄の車に乗って、行く事にしました。家に着くなり、蕎麦食べに行かないか?と誘われ、私は嫌だと言ったのですが、兄に強引に連れて行かれ、父と3人で蕎麦を食べる事に。そこで、父から、『お前、まだ車の免許取れてないんだって?取らせてやるから戻って来ないか?』と言われ、車がなければ生活できない事を知っていた私は、少し考えさせてと、一旦その話を持ち帰りました。母にその話をして、私は父とはあまり合わないから、母がいないと無理があると言い、今後の事も含めて、兄も母に戻ろうと説得をして、結果、出戻る形になってしまいました。
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