第2話 小学生になっての疑問

そんな幼稚園時代を過ごし、小学校に入学。

入学するや否や、とにかく、周りの状況を見ても、理解が出来ず、椅子にふんぞりかえって、椅子をカックンカックン揺らす始末。先生に注意されて、初めて、やってはいけない事を認識しました。さらに、先生から注意されたのは、家庭内の問題を、恥じらう事もなく、1から10まで全部、先生に話してしまっていた事でした。(ここでは、障害についてのお話なので、家庭内の問題は、触れない事にしますね。この話しは、また別に、書きたいと思います。)あまりに話していたので、母に注意をしてくださいという、お知らせがあったと話しをされました。それだけではありません。私の住んでいるところは、登校班があり、そのリーダーの6年生の男子が、私が登校班の集まる時間に遅れる事が少し続き、きちんと時間を守って行った日の事、担任の先生に、私がまた集合時間を過ぎましたと、嘘の報告をしたのです。疲れが酷く、起きようとしても起きれず、そんな日が時々あったので、遅れてしまっている、私に1番問題があるのですが、だからと言って、ちゃんと時間を守った事に、嘘をついて良いはずがありませんよね?その先生は、その6年生の言う事を信じ、私が、ちゃんと守ったと言ったことは信じず、一周200メートルあるグラウンドを、1年生の私に、20週走らせるという罰を言い、私は、仕方なく、走る他にありませんでした。

そんな事もあり、最悪だったのが、忘れ物の酷さでした。とにかく、準備の仕方が理解出来ず、酷い時には、8つも忘れる事もありました。1年生にして、その忘れる事の多さに、親にも注意するよう先生から話しはありましたが、私は、準備をするという事の理解自体も出来ず、『何故しなければいけないの?』と、準備をすることをせずにいました。ある日、担任の先生は、私が忘れましたと言うと、ランドセルを引っ掴んで、私のところに来るなり、『やる気がないなら、帰れ!』と、机の上に叩きつけるように置き、そう怒鳴りつけられる事もありました。それから、算数が出来なかった私は、計算をよく間違え、問題や答えの出し方すら理解出来ず、解けないところをそのままにしてしまった事もあり、そういった事があると、棒でお尻を引っ叩かれるという事もありました。まだまだ続きます。

プリントを渡された時の事です。このプリントの問題を解いてくださいと言われた時、私は、何をどうしていいのか、わからなかったのです。周りをキョロキョロ見回し、『みんなどう書いてるの?どう書けば良いの?』と思い、書き方が解らず、書くために隣の席の人のを見て、書いてしまったのです。答えの書き方もわからなかったので、チラッと見えた書かれた答えを、『こうかな?』と見た通りに書いてしまいました。その時は、誰にも見つかる事なく、何事も起こらないまま、過ぎてしまいました。

3年生のある日、国語の時間、授業直前で漢字10問を書くプチテストが出され、また、同じようにわからず、見て書いていました。すると、少し離れた席のM君が、その事に気づき、授業が終わると、先生に話しをしに行ったのでした。先生が、私のところに来るなり、『○○さん、カンニングしたでしょ?』と、先生から指摘をされ、注意を受けました。

カンニングをするつもりでしていなくても、普通に見たら、それは、カンニング以外の何物でもない、そのころには、流石にカンニングという事を知っていた私は、正直に認めて謝りました。1度見て書いてしまえば、後はやり方を覚えるので、書く事が出来ましたが、初めて書くプリントは、やはり、わからなかったので、見て書くことを、するしかありませんでした。時には、1度見ても解らず、何度か見ないと解らない事もあり、カンニングしたと思われないように、チラッとだけ見て、後は適当になんとか書く事もありました。そういう時は、決まって最悪な点数でした。

子供ながらに、何故私は、みんながしていることが出来ないのだろうと、私はみんなと何が違うのかと、とても悩むようになりました。

1番困ったのは、高学年になっても、指を使わないと、計算が出来ない事でした。クラスの子達は、暗算で、解いているのに、私は、100を超える掛け算の式でさえ、掛けた時に、出た数字を足す事すら、困難な状態でした。

そろばんも、もちろん、出来はしませんでした。そろばんのお弾きすら、数がわからなくなり、弾く箇所すら、理解出来ず、みんながそろばんをしているのを、ただただ、眺めている事しか出来ず、先生も、そんな私を見ても、何も言いません。

そういった事は、母に伝えなかった様子で、母から聞かれる事もなく、出来ない事を先生に話しても、努力が足りないだとか、やる気がないからだろうとか、全く理解されず、そんな事を言われるうちに、私はどんどん、『自分はダメな人間なんだ、出来損ないで、怠け者なんだ』と、自分を、やる気のない怠け者のダメ人間だと思い込むようになっていき、何もやる気が起きなくなっていきました。

小学5年のある日、授業前に用を足したくならず、授業が始まってから、用を足したくなり、我慢が出来なかった私は、手を挙げて、トイレに行きたくなってしまった事を伝えたのですが、『我慢しなさい!』と、叱責され、『もう少し我慢してから言いなさい』と、わけのわからない理由を述べられ、しばらく我慢を続けた後、トイレに行く事が何度か続き、ある日、また同じように、授業が始まってトイレに行きたくなった私は、我慢の限界まで我慢してからと、我慢をして、もう我慢が出来ない!というところまで来た時、手を挙げて、トイレに行きたい事を伝えると、その先生は、『おい!ちょっと前に来い!』と怒った口調で、私を前に呼び出し、『ここに正座して、しばらく座ってろ!』と、黒板の前にクラスの子達がいる方を向いて、正座をさせられ、恥ずかしい思いでいっぱいだった私は、泣くしか出来ませんでした。そんな事が、何度となくあり、私は、学校も先生もクラスも、大嫌いになりました。いかに嫌な事から逃げるかばかりを、考えるようになり、『どうせ私はダメ人間なんだ、サボってやる』そんな、憎悪にも似た気持ちを持つようになっていました。

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