《どうやら彼女は長生きらしい》
「地球か。確か勇者などが呼ばれるのが地球と呼ばれる世界だった筈だ。君はそこから来たのか。」
俺が話し始めた所でリディアは考え事をしていたが俺が話し終えると、ミーナとルナに説明する様に呟いた。ちなみに、当然ライラ様のミスは言ってない。
「理事長?勇者って、あの勇者様ですか?勇者様って何処かわからない場所から来たんじゃないんですか?」
ルナがリディアの呟きに反応している。それにしても勇者なんているのか。じゃあ、魔王もいるのかな?
「うん?ああ。勇者は色んな場所から呼ばれるが数人が地球から来たと言っていた。まあ、何処から来たかわからないってのも正解だ。なにせ地球って言われても誰も知らないんだから。」
確かに誰も知らないなら何処から来たかなんて証明出来ないしな。
「しかし、元人間ってだけでも驚きなのに、まさか勇者と同じ世界の人間だったとはな。しかも女神様に転生させて貰ったとは。死んだら私も他の世界に転生させて貰えるのか?」
いや、無理だろうな。俺はたまたま機会があって他の世界に生まれ変わるチャンスを貰っただけだ。記憶が残ってるのも女神様との取り決めで残ってるだけだから、他の人が死んでも前世の事なんて覚えてないんじゃないか?
「なるほど。だが、記憶を持ったまま生まれ変わるのは魔法でも出来るし、前世の事を覚えている奴は珠にいるぞ?まあ、他の世界からってのは君だけだろうが。しかし、他の世界があるのに行けないとは。残念だ!」
そう言って肩を落とすリディア。しかしリディアは色んな事を知ってるんだな?
リディアって随分と色んな事に詳しいな?地球の事も聞いた事があるみたいだし。2人は知らなかったんだろ?
「うん。私は聞いた事もないよ?それに勇者って随分と昔にいた人だよね?」
ミーナは聞いた事がないと首を横に振る。ルナも同じらしい。2人は勇者にも詳しくはないらしい。
「昔に魔王から世界を救った英雄だって物語で読んだことはあるけど。でも、100年以上前の話ですよね?」
そう言ってリディアを見るルナ。
「ああ、ルナは知らないのか?ミーナも話してないんだな?」
そう言ってミーナを見るリディア。
「え?何を?」
ミーナには何の事かわかってないらしい。
「まあ、いい。別に学校の者はほとんどが知ってる事だしな。私はハーフエルフだ。かつて勇者にも会った事があるから地球の事も聞いた事があった。」
ハーフエルフ?え?リディアって年はいくつ何だ?
「ほう?私に年を聞くのか?女性に年齢を聞くのは失礼だと昔、勇者が言ってたぞ?」
俺が年齢を訪ねるとリディアが笑顔でそう言って来た。後ろに般若が見える気がする。
「確か150歳になったって言ってたよ?」「ミーナ?」
俺がリディアの笑顔に少しビビっているとミーナが年齢を教えてくれた。リディアがミーナが言ってしまった事に驚いて声を上げた。
「え?間違ってないですよね?以前教えてくれましたし。」
ミーナはリディアと仲が良いのか?そういえば、確かミーナをイジメてた奴が理事長がミーナを気に入ってるって言ってたな。
「いや、間違ってないが。だが、言わなくてもいいだろ?私だって女だ。知られたくなかった。」
そう言ってミーナを見るリディア。ミーナも余計な事を言ったと反省している。
「はあ。まあ、いい。私の年は150歳だ!何か文句でもあるか?」
そう言って俺とルナを見るリディア。顔が少し赤い。
「い、いえ。」
ルナは即座に首を横に振る。
俺も別に文句はない。それにエルフは長生きなんだろ?150歳なんてエルフからしたら十分若者だろ。
「エルフの事を知ってるのか?まあ、私はハーフエルフだから純粋なエルフの半分の寿命しかないがな。どこでエルフの事を聞いたんだ?」
ああ。来る前にエルフの少女と知り合ったんだ。その時に女神様が出てきて教えてくれた。
「女神様が現れたのか?!君は転生後も女神様にあった事があるのか?」
割りと頻繁に会ってるぞ?別に珍しくないだろ?この世界には女神様が降りてきてるらしいし。地上で暮らしてる女神様がいるって聞いたぞ?リディアなら会った事があるんじゃないのか?エルフは女神様の存在が分かるらしいし。
「いや、会った事なんてない。地上に何人もいるってのも初めて聞いたぞ?それにエルフが女神様の存在が分かるってのも初めて聞いた。」
エルフなのに知らないのか?俺の言葉に心底驚いているリディア。
リディアもエルフなら女神様が近くにいたら分かるんじゃないか?
「いや、おそらくハーフエルフの私にはわからないんだろう。今まで世界中を旅したが、そんな気配を感じた事はないしな。」
そうなのか。何でだろうな?俺がリディアと話しているとミーナが俺に声をかけてくる。
「ねえ、アンディーって勇者様と同じ世界から来たんだよね?それに女神様とも知り合いみたいだし、牧場から居なくなったりするの?」
いや、別にそんな事はないぞ?何でそんな事を聞くんだ?
「だって、アンディーと同じ世界から来た勇者様って魔王と戦う為に呼ばれたんでしょ?なら魔王が復活したらアンディーも魔王と戦う事になるんじゃないの?」
いや、そんなつもりないぞ?そもそも魔王って勇者が倒したんだろ?なのに復活するのか?
「ふむ。その質問には私が答えよう!魔王と勇者は表裏一体。魔王が現れれば勇者が呼ばれるし、勇者が呼ばれれば魔王が現れる。そんな言葉が伝わっているため、勇者が呼ばれる事はない。だが魔王が復活するのかは誰にも不明だ。かつて魔王は突然現れたのだ。何度倒されても別の魔王が何処からか現れる。それが何時になるのかは誰にもわからない。」
そうなのか。まあ、でも俺には関係ないと思うぞ?そもそも、今の俺は馬だからな!
「良かった。なら、アンディーはずっと私と一緒にいようね?」
ああ。俺はミーナといるから心配するな。それより知りたい事はもう無いか?
「うん!私はないよ。ルナは?」
ミーナがルナに聞くとルナが恐る恐る聞いてくる。
「あの、アンディー様は神獣なのですか?」
神獣?何だそれ?それに何で急に敬語になるんだよ。
「神獣とは女神が地上に使わした女神様の命令で動く魔物に似た動物の事です。彼等は神の眷属と呼ばれているんですけどアンディー様も女神様と知り合いのようですし、もし神獣なら敬うのは当然の事です。」
いやいや、そんな存在と俺を一緒にするなよ!俺はただの馬だからな?
「いや、ただの馬ではないだろう。」
リディアうるさい。とにかく、俺は神獣なんかじゃないからルナも普通に話してくれ。頼むから!
「そう。わかったわ!じゃあ、改めて宜しくねアンディー!」
リディアも、もう聞きたい事はないか?もしなければ3人に頼みがあるんだが。
「頼み?私達に?」
俺がそう言うと、何?と聞いてくるミーナ。そこで、俺は3人にこの世界の事や魔法を教えてくれと頼む。
「ふむ。確かに知らない事が多そうだからな。なら、魔法は私が教えよう!だから、私の頼みを聞いてくれないか?」
リディアの頼み?
「そうだ。この魔道具で君の記憶を見せて貰えないだろうか?」
そう言ってリディアが1つの石を取り出した。
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