第8話 序曲③
午後15時50分 赤石は定時制職員室のラグビーのデスクの前にいた。
時刻は午後十五時五十分、赤石は定時制職員室のラグビーのデスクの前にいた。
「部活動か、ちょっとまってな」
そう言ってラグビーは自分のデスクの中を漁る。
教員が部活動の設立は生徒と違って非常に簡単である。部活動の目的、使用教室、用品、顧問などは全部を顧問が責任をもって決めるからである。生徒始めたいというのとは訳が違う。
この学校では年に一度の生徒総会時に承認されて初めて部となり、部費が出るようになるが、それ以前でも、顧問立ち合いのものとであれば未承認での活動ができる。
「ああ、あったあった。はいこれ」
「ありがとうございます」
ラグビーから部活動の関連書類をもらう。部活動の申請書は上下二ヵ所に掛けられるように点線が引いてある。両方に生徒名が名前を書く欄があり、上面は担任保管、下面は部活動を監督する、生活指導部を取り仕切るこの男が保管することになっている。
「じゃあ、六人分よろしくね。決まったらそのプリントの切り取り線から半分は、俺に頂戴ね」
「え」
「それにしても、部活動ね。考えたね赤石ちゃん。これで優幻ちゃんも俺の体育でてくれるかなぁー! はっはっは!」
六人分だと……。
「ど、どうですかね。これから彼女がよくなることを祈りますよ。ではありがとうございます」
赤石は定時制職員室で自分の机で、生活指導部内規をひっくり返して絶望する。
都立第三久須師高等学校 定時制 生活指導部内規
第5節【部活動の取り扱い】
1.部活動は顧問一名、生徒六名以上から構成される。
2.部活動の承認は、生徒総会にて行われる。生徒総会については第8節【生徒総会について】を参照の事。
3.部活動の活動は原則として四限目が終了した午後二十一時から午後二十二時の間とする。なお顧問立ち合いの元、管理職が認めた場合のみそれ以上の活動を認める。
「……六人以上だと」
完全に失念していた。俺と優幻と桜葉と御伽噺でなんとか、部活動の体を整えようとしていた。しかしこれでは活動できない。ここまでうまく事が運んだのに、まさかの人数制限で足止めを食らうなんて思わなかった。
「……あと四人なんて全員じゃねぇかよ」
副校長にああいった手前、他学年から生徒を引っ張ることは難しい。クソッ、ここまで副校長は見えてたってことか。クラス全員参加の部活とか、どんな糞部活だ、おい。
「問題は蹟大か」
龍頼は馬鹿だからどうとでもなる、渡辺も問題ない。多少強引な手ではあるが、蹟大を参加させる方法が無いわけではないが、あまり褒められた作戦ではない。
「波風立てずにできるのか」
今までは彼女をスタンスを尊重して、極力彼女には学校の行事を強制しないできた。目に見えて学校が嫌いであると分かるからだ。そんな彼女が部活動なんて、普通に首を振るとは思えない。しかたないが少しでもことが好転するように、アイツを使うか。
その後赤石はくだらない仕事を午後十六時三十分までたっぷりこなして上に戻った。
「優幻ー。お母さまに連絡ついたか?」
現像室の扉を開けながら赤石は、中にいる彼女に問いかける。
「あ、うん。ママいつでもいいってー」
今度は現像室のちゃぶ台にうつぶせになりながら、彼女はライトノベルを読んでいた。
「お、そうかじゃあ悪いが、かけてくれ」
「はーい」
そういって優幻はライトノベルを読みながら、器用にちゃぶ台の上のスマートフォンを操作しで母親にコールをかけてスピーカーモードで話始める。
優幻の奴、俺に余計なことは、言わせないつもりか。
「ん、それでね。ママ……」
彼女だって、親に黙っていることは多い。おやつなどの間食は特に彼女にとっては秘密にしている事の一つだ。
どうせ昨日のポテチの件を告げ口されないようの牽制かぁ。まあいいだろう、それは俺も共犯だ。今日はまた別のが本題だ。
「ええ、彼女の今後のクラスメイトの交友の場も兼ねてですね、…………ええ、彼女が子供のころにですね、ええ旅行で北海道に行った際にですね、…………ええ、週に二、三回ほどで、強制ではなく……ええ、彼女の今後のためにもですねぇ…………ええそれでは失礼いたします」
彼女の母親は難なく承認をしてくれた。やはり彼女が何か起こしたいという気持ちに大きく賛同してくれたんだろう。
通話が終わり、ことがうまく運んだ彼を彼女はいぶかしめな目で見つめる。
「よくもまぁ、そんなにきれいに嘘が並べられるねハジメは」
いつもとは違う少し強めの口調で彼女は反論をする。
「そうか、だが間違ってはいない。お前が幼い頃に父に連れられた天体観測の思いでの話は真実で、桜葉がお前と仲良くなりたいという話は、お前が天体観測したいって話にするって話にしただろう。まあ、いいじゃないか、たまには放課後残って遊ぼうじゃないか優幻」
「そう言いたいんじゃないんだけどなぁ」
彼はわかっていない、彼女は昔の彼を知っているからこそ、平気で嘘をつくように変わってしまった姿に落胆をしていることに。しかし彼女は昔の彼の危うさも知っていたし、今の彼の良さも知っている。だからこれ以上は踏み込んで、この話題も語ることは無かった。
「たぶん、明後日には正式にタバコが吸える」
「たぁぁぁぁー。さっすが先生! やるぅうううう」
時刻は午後二十一時三十分、桜葉成見の歓喜の声が夜の屋上に木霊する。
「おい、馬鹿! 下に聞こえたらどうするんだ!」
「あ、ごめん、ごめん」
赤石と桜葉は今日も屋上で、秘密の煙草
休憩をしていた。今日の彼女との合う建前は、副校長には、きたる活動日に向けた実地調査としておいた。たわいもない雑談を最後に、今日の進捗を彼女に報告した。
「一日でそこまでの作戦を考えて実行するだなんて、さっすが先生っ! 有能!」
昨日の今日での赤石の成果に、彼女は煙草をくわえながら拍手をする。
「いや、まだだ。優幻と管理職は丸め込めたが、まだまだ問題は多い。まさか結成に6人必要だったなんて下調べが甘かった」
「あーそれねー、どうしよっかー」
彼の言葉にあっけらかんとした態度で、煙草を吸い続ける彼女に赤井は苛立ちを覚える。
「『どうっしよっか』じゃねーよ。お前もこの問題どう解決するか考えるの手伝えよ」
「えぇ? でも先生は解決策すでに考えてあるんでしょ? だから今日私をここに連れてこれたんでしょ」彼女はその言葉におどけて見える。
「どうしてそう思うんだ?桜葉」彼女の核心に迫る鋭い言葉に驚きを覚える。
「たぶん先生のことだから、ほぼ彼女たちを入部させる作戦は考えて合って、それに私の協力が不可避って感じかしら」
「よくわかったな」
「まぁね、先生一人で六人集められるなら、今日私をここに呼んで、タバコ吸わせるメリット無いでしょ。ただでさえ危ない橋なのに、さすがに部活動の実地調査は理由が苦しいよ」
「話が早くて助かる、それで」
「美羽ちゃんの事でしょ」
二本目のタバコに火をつけながら彼女はそう言った。
「ここ数日、お前の鋭さに驚いているよ。俺の中でお前の評価を再評価せざる負えないよ」
「私もね、最近、先生の評価を改めたよ」
俺の評価を改めるって言ってもこれ以上落ちる名声はないのだけれどもな。
「美羽ちゃんねー、確かに彼女が鬼門だよね、で? 私に説得しろって事? たぶん無理よ、流石に、仲いいけど、彼女もともと学校嫌いぽいし」
「いや、そこまではしなくていい。欲しいのは龍頼を乗せて流れを作ってほしいだけだ」
「なにそれ」
赤石は彼女に自分が思い描く作戦の流れを説明する。
「いいよ、先生のその、ひっどい作戦乗ってあげる」
「ひどいこと言うんじゃない。嘘は言っていないし、お前もこの作戦の片棒担ぐんだ」
「まあ、いいよ。それくらいなら別に、あの子にも利があることだし」
「うし、じゃあ決行は明日のショートホームルームで」
「了解道中膝栗毛!」
そう言って彼女は啓礼のポーズをとる。
「な、なんだくり?」
「了解道中膝栗毛だよ先生、なにしらないの? マは知ってるのに」
「マだって、この前お前に合わせただけだよ。今の若者はそんなに変なのか、なんだ栗毛?」
俺らの時代に昔流行った、乙とか、きぼんぬとかと一緒で若者は意味不明な言葉を考えるものだ。それにしても草生えるは、未だに現役なのに驚くが。
「俺も一つ知っているぞ、草生えるってやつだろ」
あまり突っ込んでも変なので白々しく、とぼけてみせる。
「それも古いんだよ、先生今は、草こえて森こえてアマゾンこえてマダガスカルって、言うらしいよ」
「なんだよそれ、意味不明すぎる」
「さぁね、私もゆうてピチピチの二十歳だからね、陽十美と美羽の話を聞いてるだけだし」
「ふっ……ピチオピチは古すぎるぞ」
「えー、先生の世代の言葉だと思ったんだけどなぁ」
二本目のタバコを吸い終え、ふと時刻をスマホで確認すると二十一時四十五分になろうとしていた。
今日は定時に上がらないとな。
「しっ」
彼が帰るためにベンチから立ち上がると、彼女はタバコ休憩が終了したことを察し、抗議の声が上がる。
「えー、先生まだ早いよ!」
「早かねぇよ。今日は二本も吸えただろ、もうそろ、いい時間だ。お前も早く帰れ」
「今日は家に」
「そのネタは昨日やっただろ」
すると彼女も観念して立ち上がる。
「私はさぁ、結構先生気に入ってるのよ」彼女は四歩ほど少し前に出て、彼に立ちはだかる。
「なんだ藪から棒に、煙草を吸わせてくれるからだろ」
「違うよ。いや違くもないけどっ」
彼女は歩きだし、赤石の周りを回り始める。彼女の語りは止まらない。
「最初はさ、定時制ってヤバいって思った。授業なんて小学生レベル、英語なんてABCから始まってんだよ。どの先生も私たちを見ていない。ただ単に波風立たないように仕事をこなしている感じ。来て失敗したって正直思った」
「それりゃそうだ。都立の普通科定時制なんてそんなもんだよ」そうだよ。それが現実、ここはつまりは腐った教員の吹き溜りだよ。
赤石も彼女の語りに付き合う。
「とくにヤバいと思ったのは担任の先生、雰囲気、出で立ちは最低最悪。たまにタバコ臭いし、言葉遣いだってそこら辺の高校生より悪い」
「うぐっ」
端的に自分の行動を分析されると、くるものがある。わざとそう振舞っている以上、直す気はさらさないが。
「でもね、先生だけが私たちを見ていた。授業は、一人一人のレベルに合わせてプリントが作られていて、すっごくわかりやすい。悩んで、詰まったときには、どこで見てたんだよってくらいドンピシャなタイミングで、ヒント出してくれるし。クイズみたいで楽しい。正直今までの社会の授業の印象がガラって変わった。なんかみんなに授業してるんじゃなくって、私たち一人一人を見て授業している感じ」
「教科書読むのかったりぃから、プリントで作業させてるだけだよ。それに教科書外の内容を指導することは、本当はいけない事なんだ。」
「それに今まで理解できなかったけど、帰りのホームルームしないのは優幻ちゃんのためでしょ、彼女だけ早く帰るのがクラスに知れ渡らないために。今思えばクラスだって、細かいところで私達に合わせた指導をしてるって感じる」彼女の語りは止まらない。
「帰りのホームルームがめんどくさいだけだよ、買いかぶりすぎだお前は」
「そうかなー。確かに教師としては立派じゃないのかも知れない。授業はみんなバラバラの内容、優幻ちゃんを特別扱いするし、私の喫煙だって見逃してる。褒められてる行動じゃないかもしれないけど、全部私たちのためにしてくれている行動だよね。清廉潔白の人なんてこの世の中にはいない。私は、半分黒色に片足突っ込んでるかもしれないけど」
夜の時間帯がそうさせているのか、怪しく光り輝く月光がそうさせているのか。
「そんな、先生私は好きよ」
彼女の笑顔はとても妖艶に見えた。
「っ……っておい、三本目吸ってんじゃねぇよ」
「バレたか」
そんな彼女の手には、おそらく赤石の背後の回ったときに、取り出したであろう三本目が握られていた。
「バレたかじゃねぇよ、今日も帰りが遅くなんだろうが。おい」赤石は、タバコを取り上げようと彼女につかみかかる。
「そんな先生、せっしょーな、ななな、な」
赤石の手を大きくかわした、彼女はバランスを崩してしまう。
「おい!」
下はコンクリートだ、やばい。
このままでは、彼女が転んで頭を打ってしまうと思った、赤石は彼女を抱きかかえ、自分が下になるように一緒に倒れる。
「うぉっ……くっ」
「きゃっ!」
RPGゲームなら頭の上に星が回っているのがわかる。急いで彼女をかばったから右腕が自分の下敷きになっていて、痛い。せめてもの救いは彼女の下敷きになれたという事だと思う。
彼は痛みに耐えつつ、目を開けながら彼女に話しかける。
「おい、おい。大丈夫か桜葉」
「痛っつつ。大丈夫よ、先生が下敷きに来なったおかげっぽい」
案の定彼女は、赤石に覆いかぶさるように倒れている。
彼の顔の前には彼女の顔が至近距離で見える。
怪我が無いようで何よりだ。
「じゃあ、早く俺の上からどいてくれ」
「へっ? きゃああああああああああああああああああああああああ」
その言葉に目を開け、自分が赤石に馬乗りになっていることを理解した彼女からは、非常にかわいい悲鳴が聞こえた。
「静かにに、静かにしろ桜葉」
声を潜めて必死に、指で静かにするようにポーズを取る。時間帯は静まり返った二十二時前後、女性の悲鳴は想像以上に響いて遠くまで聞こえる。
やばい、やばい、やばい。こんなところ誰かに見つかったら、明日の朝刊の一面だぞ。
彼の頭の中には明日の一面が思い浮かぶ。『深夜の校舎で高校教師淫行』、『定時制教員、深夜の実地調査』『部活動が名目か、夜中に行われた男性教員の個別指導』
「あ、っごめんね先生、今すぐ退くね」そういって彼女の手が赤石の胸板を触った。
「……ふーん」
退くといった彼女が一向に退く気配が見えない、というか自分の胸板を触っていることに違和感を覚える。
「なにが、ふーんなんだよ。早く退け」
「いやー、さ、先生意外と鍛えてる?」
彼女は恥ずかしそうに、質問を投げかける。自分では鍛えているつもりはないが、その原因の一旦に、思い当たる節があるので、はぐらかすことにした。
「あー、いや。別に鍛えてはいない」
「嘘でしょ、いや嘘でしょ、それは嘘だよ。めっちゃくちゃ胸板硬いじゃん。えっ? えっ?めくって良い?」
「良い訳ないだろ、やめろ、やめろ」
赤石の静止を無視して、彼女はベルトに手をかける。
この状況を何とかしなくてはとてもヤバい。状況は先ほどよりも悪化して、今度は俺が半裸になってしまう。
流石に半裸はまずいので、空いている左腕で彼女の右手首をつかむ。
「え、先生、腕も意外と、鍛えてる?」そういって彼女は自分の空いた左手で、赤石の手首をつかんだ。
だめだ、彼女は自分の状況よりも俺の筋肉に興味が引かれてしまっている。ただでさえ、女子高生に馬乗りにされてまさぐられているのがヤバいのに、彼女が動くたびに、彼女のやわらかさがダイレクトに、俺の服越しに伝わるのがもっとやばい。生徒相手にそれはまずい。
彼の脳内に今日の副校長とのやり取りが思い浮かぶ『何かあってからでは遅いのだよ赤石一君』『くれぐれも問題は起こさないでくださいよ赤石先生』。
はやくコイツを俺の上から退かさなくては。
「あー、いいから、いいからどいてくれ」
「えー。先生、私今日は帰りたくないの」
天丼であるにもかかわらず、月明かりに輝く彼女の二度目の笑顔は先ほどよりも、彼女の体温を感じる赤石にとって、とてつもない破壊力を持っていた。
「やめろ、やめろ。今の状況でそのセリフは犯罪者過ぎる」
「よいではないか、よいではないか」
赤石の気持ちなんてついぞしらず、彼女は悪乗りの延長だとしか思っていない。
その時、屋上のドアの空く金属音が響く。赤石と桜葉は息をひそめる。二人は誰かが屋上を歩いているのを感じる。
「赤石先生いらっしゃりますかー」
副校長だ。やばい。なんで、副校長がここにって、俺が実地調査とか言ったせいか。副校長が屋上にいると思われる俺を探し、歩き回っていることが足音の反射からわかる。そして徐々にこちらに向かってくることも。やばい、やばい、やばい、俺の人生終わる。
赤石は、息を殺して五感に集中すればするほど、馬乗りの彼女の匂い、感触、鼓動を感じてしまう。彼女は生徒と言っても二十歳の発達豊かな女性だ。女性経験の乏しい彼は必然的に感じでしまう
足音は赤石と桜葉の居るコンクリートの建物の近くで止まる。
「やっぱりこちらにはいませんか、はて、今どこにおられるのでしょうか」
そう言い残し、副校長は踵を返して屋上を去っていった。
「はぁぁぁぁぁ」二人して一気に緊張の糸から解き放たれて、脱力をする。
「あーぶなかったー」
「いやー、流石にキモが冷えたねぇー。こんな経験初めてだよ私」
極度の緊張から解き放たれた二人はいつもまにか、怪しい雰囲気もなくなり冷静になっていた。彼女に退くように伝える。
「さぁ、馬鹿なことしてないで早く俺からどいてくれ」、
「あ、はい」
いそいそと、今度は彼女は素直に上から退いてくれた。すると、赤石のスマートフォンが鳴り始める。
「副校長だ」
そう言って彼女に少し離れるようにしぐさをする。彼女もそれに従い離れる。
「……ええ、いなかったもので、先生どちらに?」
「あーすいません。実は資料室にいたんですよ」本当はすぐそこにいました。
「そうでしたか、実地調査はどうなりましたか」
「ああ、それならだいぶ前に滞りなく終わりました」そんなことはしていません。
「それはなによりです。彼女のためにしっかりと、よろしくお願いしますよ」
「あっはい。では、ええ。失礼します」
赤石はスマートフォンをポケットにしまいながら、離れていた彼女に話しかける
「さぁ、帰るか桜葉、バレないように」
「は、はい」
先ほどのノリはどこに消えたのだろうか、彼女はいきなりおとなしくなり、挙動不審になっている。
「どうしたんだ桜葉」
いきなり俯いた彼女を心配する赤石。
「いや、だ、大丈夫デス」
身長差のある赤石からは見えない角度であったが、彼女の顔は先ほどの自分のやり取りを思い返して、真っ赤になっているのだった。
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