8日目 魚の見る夢
雨が降ると世界が海の中に沈む想像をする
雨の中を大きな見たこともない魚が悠然と泳いでいく
私は誰もいない海の中をゆらゆら漂いながらここではないどこかに向かう
見慣れた教室が水で満たされて知らない世界に変わる
あぶくがコポコポ音を立てて登ってゆく
どんどん下に落ちて水底にたどり着く
車も電気もない世界
差し込む光を中心に
ぐるぐると円を描く小魚の群れをかき分けて
雨の降り止まない水面に顔を覗かせるけど
もう胸いっぱいに空気を吸えなくなってしまった
雨のきらめき、落ちる雫
晴れ間から見える太陽が反射して
光を吸収した水がキラキラと輝いている
一匹の魚は水面をポチャンと揺らすと
紺碧の海に潜って行った
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