ナノマシンは答える


「エールさん、貴女は皆に良く教えてやってください、皆さんはエラムの住人、すべてがこの星と違うのです」

「それと貴女は皆に魔法の使い方を習ってください、それと愛人の心得もね」


「魔法、そんな非現実的な事が?」

 小雪さんが、

「決して不可能ではありません、魔法の糧、マナは明日にはテラに蔓延するとのことです」


「このマナは許されたものだけに従います、まぁ明日になれば分かりますよ」

「でも一言いいますと、マスターの命令がすべてに優先です」


「詳しく言えませんが、マナを使えばマスターは惑星を自由にできます、もっともマナがなくても、この惑星ぐらいお一人で破壊できましょうが」


「注意しておきますが、マスターはとやかく云う方ではありません、でも、イシス様はちがいますよ、それは厳しい方ですよ」


「よくよく気をつけます」


「さてエールさんのあえぎ声で私たちは欲求不満、お嬢様♪」とサリーさんが音頭を取ります。

 やっぱり……


 本当に故郷に帰るには試練が必要です。

 途方もないほどに頑張りました。

 愛人さんたちはグロッキーです。

 女同士で逝っていただくには、テクニックと体力が必要なのですよ。

 まぁエラムで鍛えていますし。


 サリーさんに「もうすぐ朝ですよ」と声をかけます。

 サリーさんが「お嬢様、もう少し……」とおねだりなどをします。

 私、すこし頑張りが足らないのかしら……


 とにかく「時間が迫っています、これで我慢してね」とキスなどしますと……

 ピンク色の声が聞こえました。


 裸の美女さんたちの中に、エールさんもいます。

「エールさん、改めて聞きますが貴女は私のなんですか?」

「あるじ様の女奴隷で支配される存在です」と裸のままで私の足に口づけをしました。


 私はチョーカーを授けました、私の寵妃の証です。

 マレーネさんが、

「チョーカーはこのテラにおいては、この宇宙船へ任意に転移出来るように調整してあります、そして魔法は強化されています」


「エールのチョーカーは夫人用ですが、それでも十分でしょう、愛人の皆さまは破壊的な力が発揮できますので注意してください」


「テラには野良アンドロイドや浮遊幽子集合体、それに現地勢力、それ以外にもかなり愚かしい生物がいるようですが、戦闘力は十分と考えます」

「もっともナノマシンが自動的に皆さんを守るでしょう」


「マスター、時間ですがサリー以外にエールを連れて行って下さい、エール、イシス様に気に入ってもらえるように努力してください」


「それから費用の話しですが、姉上様の指示で、ブラックホールの中で金を百立方メートル程度作りました」

「十分と思われますのでご心配なく」


 物凄いお金持ちということですか、でもこれだけの量、放出すれば経済などは狂うでしょうね、気をつけましょう。


 私たち三人はやっとテラへ、私の故郷、青く美しい星の姉の待つお家へ転移しました。

 やっと、やっと帰ってきました、でもアメリカですけれど……


 転移した瞬間にナノマシンを感じました、転移した瞬間にナノマシンが私たちを守るように集まってくるのが分かりました。


 この惑星環境改造マシンがあれば、環境破壊などからも簡単にこの星をまもれるでしょう、しかし人の選択が第一です。

 私と同じ人類の選択を尊重するだけです、つまり不介入、出来るならそうしたいものです。


プロローグ FIN

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