生真面目さんとフランクちゃん
真心とシスタそしてフィルギャの三人がでゅら娘が住む館の前に並ぶ。
そうすれば、館の前で居眠りをしていた番犬たるクーシーが低く唸り見た事の無い者つまりはフィルギャを睨む。しかしそれに対してフィルギャは怯むことなく睨み返しその眼力の前にクーシー達はしっぽを巻き扉の前から下がっていく、彼女もでゅら娘と同じレベル4の妖精の女性、クーシーを操るのは造作もない事なのである。
それが終わると真心はでゅら娘の洋館の大きな扉を開く、そして開いた先は広間になっており、その広間にある一つのドアから素っ裸ででゅら娘が出てきた。
灰褐色の肌に赤身がさしてる所とバスタオルで頭を拭いているところから風呂上りだと思われる。そんなでゅら娘は真心達に気づかず横切りかけそうになるも、その前に気づき素っ裸のまま向き直る。
「あ、どもっす真心様いらっしゃいっす」
「お邪魔するよでゅら娘、で、なんで裸?」
「さっきまでクーシーちゃんと遊んで汗かいたんでお風呂入ってたんすよ」
案の定風呂上りであった、会議が終わった後、でゅら娘は別段森の環境で困ってる事もないので一人森に戻って遊んでいたようだ。
「とりあえず服着たら?」
「屋敷の中では基本全裸なんすよね、着替えの手間とか無くて何より楽っすから!」
真心も確かに薄着とか全裸って楽だよねーと同意するのに、そうなんすよーと言いながら笑顔で胸を揺らすでゅら娘、そんなでゅら娘の姿にこめかみを抑えて頭を痛そうにする者が一人いた、鎧を着こむフィルギャである。
「……主様、よもやこのポンコツがいままで主様を」
「ポンコツてなんすか、あたしレベル4っすよそりゃヴィオっちやサンダーバードには劣りますけど、ポンコツ呼ばわりされる程には弱くないっす」
「私が言いたいのはそういう意味ではない! 屋敷で全裸とは気が緩み過ぎだ髪の毛も脱衣所で乾かせ!」
「いいじゃないっすか、あたしの屋敷なんすから」
「それに屋敷の前のなんだあの腑抜けた番犬共は!」
「クーシーちゃん達っすか、可愛いっすよね」
「番犬に可愛さ等求める必要はない! あの図体でちょっと睨んだだけですごすご下がる犬ころなら捨ててしまえ!」
「そんな事あたしには出来ないっす! なんすかさっきから文句ばかり!」
「騎士としての矜持も威厳も貴様に感じられんからだ! これが私と同じレベルだと思うと私は泣きたいよ!」
フィルギャはでゅら娘に数々の苦言を呈し、最後には自分よりも先に生まれた同じ強さを持つマモノがこんな奴だとは思いたくないと叫ぶ。
「ま、まぁまぁ、そこまでにしようよフィルギャ」
「フィルギャって言うんすか、それじゃフィルっちすね」
「なんだそのフィルっちとは!? 主様、本当にこんなちゃらんぽらんが主様を今まで守って来たのですか!」
「別にでゅら娘だけじゃないけど、守ってくれてたよ」
「勿論すよ、あたしは真心様の騎士っすよ、首がもげようがその身を盾にしてでも守るっす」
実際彼女は首さえ残っていればその身体が朽ち果てるまで真心を守る肉盾にさえなるだけの力を持つ、確かに普段は気が緩みがちでフランクであるがその忠義の心は他のマモノに引けを取る事は無いのだ。
「でゅら娘、今日からこの屋敷を拠点にしたいんだけど、部屋空いてる?」
「バリバリ空いてるっすよ、ベッドとかは後で虎徹っちに頼んできますね~」
「うん、フィルギャの分だけでいいからね、家具とかそこら辺の物は全部、洞窟から出してくるから」
「了解っす~」
そんなでゅら娘に真心は今日からはここを拠点にダンジョンもとい島を管理する事を伝えれば屋敷の部屋は十分空いてる事を伝え家具の用意をして貰うべく虎徹の所へ向かうのに着替える為自室へと戻っていく。
こうして真心の拠点がでゅら娘の屋敷へと変わるのであった。
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