真心のダンジョン計画③

「よーっし、こっからは新しいマモノ達によるダンジョン計画だ」

「何を呼び出すのでしょうか? 真心様」

「妖精の定番も定番だと思うよ、召喚」


 真心達がついたのはアンナの住んでいる森より更に深く入って行った所の森。

こちらにも相当数のアーバヴォーアニマルによって呼ばれた小鳥が飛び交い小動物が徘徊している、でゅら娘が狩りをするべく節操なく召喚した結果ともいえる。

 そんな深い森に呼ばれたのは白い修道服を着こんだ金髪に緑の目をした美女。

そんな彼女は人間ではない、その端正な顔立ちの彼女の耳はゴブリン達と同じように尖っていた。


「お初にお目にかかります真心様」

「うん、よろしくねセイントエルフ」


 真心は彼女をセイントエルフと呼ぶ、召喚したマモノは様々な物語で人間とは別の種族として描かれる代表的な存在のエルフであった。そんな彼女の力と言えば


・魔力を用い遠くを見る千里眼の力を持つ

・マモノの自然治癒能力を高める魔法の使い手

・自身の魔力を用いケガや病気を瞬時に直す瞬間治癒魔法の使い手

・食べた物の栄養を魔力に変える事が出来る

・魔力を使ってエルフ、テリア、守護する猛禽を召喚する事が出来る


 といった感じで癒しの力を使うエルフとして召喚されたマモノだ。


「さてと、セイントエルフだけで森で暮らすのは難しいよね」

「私のマモノレベルは0、襲われればいともたやすくやられてしまうでしょう」

「その為の他のマモノというかエルフを召喚するよ、召喚!」


 このセイントエルフは癒しの力や動物の召喚が出来るが、その力に関してはエルザ達フェアリーと同じ0である、つまり戦えば非力な真心でさえ勝てるレベルである。

 その為に真心は新たなマモノを召喚する、それはセイントエルフと姿の変わらない金髪に緑の目そして尖った耳をした美女だが服装だけは修道服ではなく。


 草や枝で肌を傷つけない為の長袖長ズボン。不安定な森の足場でも動きやすい登山用のトレッキングシューズ。髪の毛も腰まである長髪などではなく長いものでも肩当たりまでと短い。現代でも通用する程度には山や森での活動に適した姿をしていた。おおよそファンタジー世界でよく見るエルフとはかけ離れた姿と言える。

そんな彼女たちの能力と言えば。


・弓矢などの飛び道具の名手。

・動物と連携して狩りを行う

・食べた物の栄養を魔力に変える事が出来る。

・魔力を使いエルフを召喚する事が出来る。


 この森で生きるのに必要な能力を十分に持つレベル3のマモノ、更に言えば知性3でもあり、彼女らは呼び出されると真心に一言礼を言ってからセイントエルフを交え会議を始める、それが終わると真心の前にセイントエルフが立ち話を始める。


「眷属たちも呼んでいただきまずは感謝を我々は今後この森で集落を作り森の保全と有事の際に真心様に力を貸すでよろしいですか」

「よろしいですよ、この森は大小色んな所に湖があるらしいから湖の周りを拠点にするのがいいと思うよ確かこっちの方向!」

「反対で御座いますよ真心様」


 真心が指さした方向とは別の方向をシスタは示す、見当違いの方向を差してしまった真心は恥ずかしさの余り赤面した、その愛らしい姿にその場にいるセイントエルフとエルフの美女達は顔を緩ませこの少女を守ろうと団結するのであった。

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