新たなバトルは頭脳戦!?

「ほ~げ~」

「ほ~げ~じゃのう」

「だらだらしてたらダメなのですよ」

「よいではないか、こうして家でダラダラするのもまた一興じゃ」

「ドラゴンさんのお家は涼しいしねー」

「シャルルに氷を作る魔法を教わったのじゃ」

「あまりだらけてるとシスタさんが来るのです」


 盆休みが明けても真心の夏休みはまだまだ続く、外は暑いと言う事でドラゴンの家で二人何とも言えない緩み切った顔で寛いでいた。

そこにはフェアリーのエルザも遊びに来ていたが、彼女だけは真面目に真心達を諭しシスタを引き合いに出し真心を動かそうとしていた。


「でもさ~、何をすればいいのさ」

「えっと、その~、新しいマモノを作ったり、ダンジョンバトルをしたりです」

「とのことじゃが、主殿、戦う相手などは決めておるので?」

「まったくぅ~、女神さまも言ってたし、ゆっくりまったりやって行こうよ」

「なら、新しいマモノなのです! 土地は沢山余ってるのですよ!」

「思いついたらねぇ~」


 ランキングに差し掛かったというのに、真心は完全にやる気的な何かを失い始めていた。


「真心様、新しいダンジョンバトルでございます」

「ほへ? どちら様から?」

数学かずまなぶ様だそうです」

「変わった名前だねぇ、繋いで」

「かしこまりました」


 緩んだ空気の中、いつものように執事服を着こなすシスタがその空気を壊すように瞬間移動でやってくる、どうやら新たなダンジョンバトルの申し込みを受けて来たようだ。見た目はかなり背が高いが若々しく見える事から高校生か大学生と言った所かチノパンにパーカーと没個性的衣装だ、まぁ、真心に至ってはショートパンツにノースリーブシャツと完全な部屋着なわけだが。


『初めまして私の名前は数学、ダンジョンバトルを挑みに来たよ内容はヌメロンだ』

「ヌメロン? なんですかそれ」

『平たく言えば、数字当てゲーム、どうだいやる気になったかな?』

「会場は?」

『私のダンジョンでも貴方のダンジョンでも構いませんよ』

「では、私のダンジョンでお願いします」


 学の提案したゲームは双方に被害が出る事がなさそうな頭脳ゲームであった。

ヌメロンは学も言った通り数字当てゲームだ、お互いに重複する3桁にならないように数字を選ぶ(例:123はよいが 113は1が重複するので×)

そうして選んだ後、交互に数字を言い合い、先に手持ちの数字を言い当てた方の勝ちというルールの頭脳ゲームだ。


『さてと、賭けの対象は……レベル5が二体もいるだなんてやるねぇ、魔力も結構あるね、うん、知性の高いのは反発する恐れもあるし、ここは魔力を無難に貰うよ』

「えっとじゃぁ、私も魔力で」

『それでは、今からでいいかな?』

「はい、それじゃお待ちしております」

『うん、君はそれまでにその恰好を何とかしてね、男の人に見せる姿じゃないよ』


 最後に学は真心の姿を指摘して通信を終える、真心は今更自分の見た目を見てから赤面し、慌ててシスタに服を用意させるのであった。

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