悪知恵の結果
さて、真心とシャルルのメンバーが変更されて、始まった試合。
それは一方的な物に変わったのだった。
「ほい、もっかい3ポイントシュートだニャ」
ボールを浮かせ操作しゴールに入れる。
「ゴールには入れさせないニャ」
リングの縁に瞬間移動で飛び、ボールを弾き。
「バイバイだニャ、ほい2点だニャ」
全員でボールを持ったところを囲めば瞬間移動でダンクシュートを決める。
そうしてあっという間に同点そして逆転するのであった。
「クケケケ! 卑怯だぞ!」
「人を騙すような真似でボールを獲ったお主が言うか!」
「最初に言わなかった僕らが悪いかもね」
「それじゃ犬が試合に参加できねーだろ、ソウルパペットの特徴使えなくなるから」
「それもそうだ、今後は瞬間移動とかの特徴や魔法に対策が必要になるね、猿君ボールそっちいったぞ!」
「応! しかし一昔前に流行ったよな超次元スポーツだとかそういうの」
「ありましたねぇ、はい、シャルル、パスよ」
「やべ、安条は普通に室内競技は得意だったんだ!?」
「さすが菖蒲様だニャ、ありがとだニャ、それ3ポイントだニャ」
「よーし、いいぞ、シャルルー!」
あくまで禁止されているのは相手への危害を加える魔法と特徴。
デュラ娘の恐怖の植え付けや金縛りは使えないが。自身への魔法や特徴
シャルルが使った瞬間移動、ドッペルの声真似は禁止されていない。
更に言えば、すべての魔法、特徴を禁止すればまずメンバーが5名にならない。
何せ犬山がソウルパペットに入っている状態はもろ特徴を使う行為だからである。
最後まで諦めずに食らいつこうとするも、菖蒲は室内競技のスポーツであれば普通の生徒以上には出来るというか得意だ猿渡のブロックを綺麗に躱しシャルルへとボールをパスし点を稼ぐ、そうして。
「試合終了でございます、60対42、真心様チームの勝利でございます」
得点ボードの管理をするシスタがホイッスルを吹き試合終了を告げる。
「あっちゃー、今日は負けちゃったか、いや、あの方法は卑怯だろ」
「安達は成績は良くないのに今回に限っては悪知恵が働いたもんだ」
「悪知恵って言わないでくださいよ、私だって虎徹が取られたくなかったんだもん」
「シャルル殿、本当にありがとうでござる、負けていれば拙者、敵にその身を捧げる恥を選ぶ前にこの腹を切り真心様達への最後の恩義にする所でござったよ」
「盟友虎徹、分かったから、ユニフォームが鼻水でぐちゃぐちゃになるのニャ」
「虎徹さんが死なずに済んでよかったね、真心ちゃん」
「うん、私も自分の仲間の切腹を見ないで済んでよかったよ」
犬山は今回の戦いをドッペル同様、卑怯だと言い、猿渡も真心の成績を引き合いに褒めてるのか微妙な感想を述べる、それでいいのか教師よ。
そして当の真心達は虎徹はシャルルの小さな体に抱き着き涙し鼻水をユニフォームにこすりつけ、切腹も考えていた事を吐露し、それにドン引きしながら、そんな事態にならないで良かったと全員、胸をなでおろしたのであった。
「こりゃ、後味悪い結果になるだけだったから、ある意味よかったのかもね」
「ああ、前のシルフのダンジョン滅茶苦茶事件の時も酷かったもんだ」
「シルフのダンジョン滅茶苦茶事件?」
「シルフってマモノをダンジョンバトルで手に入れた時そいつが命令を無視してダンジョンに一度だけ風を巻き上げた、するとだダンジョンのマモノが全部外にほっぽり出されちまった、戻ろうにも、風の壁がダンジョンの入り口に出来て戻れねぇ、会えないから命令も出せない、困りに困った結果、元のトレーナーに返したのさ」
「そう言う事って結構あるんですねー、うちのサンダーバードも同じような事やらかしてましたよ先生」
「あのブックにあったレベル5だね、そういやシルフもレベル5だったかな、レベル5を貰うときは慎重にするべきだね、それじゃ今日はお疲れ様、これからもお互い頑張ろうね」
「はい、それではお疲れ様でした!」
最後に猿渡の語る事件の事を耳に挟みながらこの日のダンジョンバトルは終了。
一同、元のダンジョンに帰還するのであった。
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