ヘビ人間の報告と攻勢と撃滅

 二人はダンジョンに帰ってすぐにお土産などを家に持ち帰るべく自宅へと帰っていく、そうしていつもの部屋には真心だけが残っていたのであった。


「シスタはいないみたい、ちょっと待ってれば帰って来るかな?」


 シスタもいないので少し退屈そうにお土産をちゃぶ台に置いてから畳を転がる。

さて、そんな風に退屈そうにしていれば。


「おかえりなさいませ、真心様、席を少し外しておりました」

「あ、ただいまシスタ、平気平気、ここ数日何か変わったことは?」

「ございましたよ、アンナ様を襲った存在が攻めてきました」

「どんな奴だったの? やっぱり私達と同じ人間?」

「いいえ、頭がヘビという異様な存在で御座いました、捕縛して会話を試みましたが拒否されてしまいました、こちらを対等として見るつもりは無い模様です」


 シスタは今回攻めてきたヘビ人間の事を説明していく、聞けた話はとても少なく。

こちらを観測できたのはサンダーバードの存在、そしてこの島を領土化しようと来た訳なのだが、島のマモノが総力を上げて撃退したので今の所は安全だ。


「今後も攻めてくるかな?」

「その可能性は高いですね」

「どうやってここまで来たの、やっぱ船? それとももしかしての飛行機?」

「船を使ってですね、現在はゴブリン様達が鹵獲し、操船の練習、研究を行っております虎徹様は武装がされてない事から、斥候か何かの船と想定しているようです」

「斥候が連絡がつかないとなれば次は本隊が来るでしょうね」

「そっか……争いたくないなぁ」

「盟友シスタ、また敵が来たニャ、っと、真心様おかえりですニャ」


 真心は現代日本人、争いと無縁の少女だ出来うるならば争う事なんてしたくない。

そんな気持ちを裏切るかのようにシャルルが瞬間移動で真心達の場所に来る。

どうやらヘビ人間がまた攻めてきてしまったようだ。

 

「あ、ただいまシャルル、もしかしてヘビ人間?」

「そうですニャ、それもかなり大きな船、あれは戦艦と言ってもいいのニャ」

「戦艦、大丈夫なのシャルル?」

「大丈夫ニャ、ぶっちゃけ、サンダーバードが大暴れして終わりだニャ」

「でしょうね、アンナ様の所に行ってまいります」

「あ、私も行く!」


 なのだが大きな船だろうとなんだろうと、レベル5のサンダーバードがいれば対処は容易、それを今、御しているアンナの元へシスタが行き撃退をアンナからサンダーバードに命じて貰いにいくのであった。


『こんにちはアンナ様』

『あ、シスタ、こんにちは、どうしたの?』


 シスタ、真心がアンナの元へと飛ぶ、シャルルは虎徹やでゅら娘と共に戦艦を警戒するべく一足先に海岸へと戻っていく、さて、アンナの住処である池の畔には。

ゴブリンが作り上げた小さな小屋があり、その横では寝息を立ててあの巨大なサンダーバードが幸せそうに眠っていた。そのサンダーバードを起こしてもらうべくシスタがアンナへと船が来たことを説明していく。


『またお舟が来たの?』

『はい、それも前回よりも更に大きな船だそうです』

「うわっ! なんか、海岸から凄い音がしたんだけど?」


 話している最中に大きな音が響いてくる、今度の船には武装がされているようで、大砲であろうその轟音が森の奥にまで響いてきた、そしてその轟音で目覚めるのだ。

森の守護神サンダーバードが。


『サンダーバード、また海にお舟が来てるの、お願い』

「と、飛んで行った、もしかして戦艦と戦いに?」

「おそらくはそうかと」


 アンナの言葉を聞けば、強風を起こし飛び立っていく。

目指すは船があるであろう海岸方面、数分後三人も海の方へと飛ぶが。

そこはすさまじい光景が広がっていた。

海の向こうに雷雲が広がり、船が火を上げながら沈んでいく姿。

何か黒い粒が海へとその身を投げ逃げるが、サンダーバードはそれも許さず海面に雷を打つことでその身体を浮き上がらせる。


 こうして戦艦もサンダーバードの前にはハリボテの如く壊されるのであった。

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