ヘビ人間諦める

 ヘビ人間の住む国その王宮の玉座で青い顔をするヘビ人間がいた。

ご存じの通りこの国の王である。


「わ、我が最強無敵艦隊が全て、殲滅されただと」

「はい、唯一生き残り帰って来た船の船員も酷い火傷で報告をした後に」

「そうか、どのような報告を受けたのだ」


 ヘビ人間の王が狼狽しながらも報告に来た家臣に何があったかを聞く。

報告になんとか帰還してきたヘビ人間は雷がだとか、首の無い女がだとか。

緑の肌の化け物がとうわごとのように呟くだけの報告しか出来なかった。


「あの島は悪魔が潜んでいます、これ以上攻め入るよりは今、侵略した領土に更に進出する事の方がよろしいでしょう」

「だな……あの島に手を出す事は国の王として禁ずるとする」

「かしこまりました、ただちに軍へ報告に参ります」


 ヘビ人間の王は家臣の進言を受け入れ、島へ攻め入る事を禁じ、近寄る事も許さぬと定めたのであった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ところ変わって真心達の島のいつもの部屋では真心達が集合していた。

マモノ達は各々の持ち場で今日も領域をよくしようと仕事中だ。


「ここ最近、慌ただしかったけど、攻めてこなくなったね」

「何隻かは何とか帰れる程度の被害を与えて撤退させたようですよ」

「ヘビ人間でしたっけ? 想像するだけでも怖いですね」

「諦めたのかな?」

「どうだろ、まぁ、また来てもサンダーバードでちょちょいのちょいだよ」


 真心は完全にサンダーバードなら何とかしてくれると慢心していたのだ。

まぁ戦艦を何隻も一匹で落としてしまうようなマモノだ、慢心もしてしまうだろう。

そんな真心の次の目的は決まっていた。


「サンダーバードを引っ提げて、ダンジョンバトルを挑んで、ダンジョンマスターを目指すぞー!」

「自分たちから戦いを挑むわけだね、腕がなるね」

「……でも、あのサンダーバードはアンナさん以外、操れないんじゃ?」

「「あ」」

「前途は多難な模様ですね」


 夏はまだまだ始まったばかり、これからも真心の奮闘は続きそうであった。





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