真路のダンジョン計画①

「ここから先かな? よーし、皆頑張るよー」


 ケットシーの畑から西方面に広がる平原の前に多くの物が集まっていた。

エルザが率いるフェアリー、虎徹の率いるゴブリン、ケットシーのゴーレム。

真心とシスタそれに空、菖蒲、真路、全員そろい踏みである。

ゴーレムや幾人かのゴブリンは荷車を牽いていた、中身はいくつもの木の苗や土木作業用の道具など、今からこの土地を開拓していくのが目的だ。


「まずは、ゴブリンとフェアリー達のお手伝いを私達もしていこう、どんどん木の苗植えていくよー」


 荷車に乗っていた木の苗をフェアリーは数匹でそれ以外の者は一人ずつ持ち、平原に植えていく、小さな木の苗であるが為、いくら植えた所で寂しい物であったが。

 フェアリーやゴブリン、ケットシーが植物を成長させる魔法をかければあっという間に成木へと成長していってしまう、延べ数千本とある木の苗を総出で植えていく。


「魔法ってのは凄いね、向こうの世界でも使えたら便利そうだ」

「この世界からマモノは外に出れたりするのシスタ」

「不可能で御座います、行った時には地球の神様から神罰を受けることになります」

「神罰は怖いなぁ、参考までにどんなの?」

「私には分かりかねます」

「残念」

「真心ちゃん、手が止まってるよ、動かして動かして」

「はーい」


 この世界を作った神と地球の神は別の存在だ更に言えば凛子、三治の異世界もまた別の存在だ、そして彼彼女ら神の間には一つ大きな約定がある、それはマモノやダンジョンバトルで獲得したマモノ以外の生物をダンジョンバトルの間以外に別の異世界に放出したりすることを禁ずるというもの。

種類によっては生態系の崩壊を招くそれを危惧しての約定だ、その為これを犯せば神罰が下る、神罰の内容は恐れ多くて誰も知らないと言う。


「とりあえずはこんなものかな、それじゃ早速召喚していくよ、それ」

「上手く増えてくれればいいんだけど」

「ウサギや小鳥、どういうマモノなんですか?」

「マジックアーバヴォーアニマル、魔力を持つ草食動物だよ」


 森がとりあえず形になってきた所で真心はブックを開き、事前に描いておいたマモノを召喚していく、それは様々な姿をしていた、菖蒲の言う物もいたが、虫やげっ歯類の類などもとにかく様々な種類が出てくる、というのもこのマモノの特徴は。


・魔力を持つ草食性の動物

・召喚する動物は召喚者の意思によって決定する。

・食べた物を体内で魔力に変換し、その魔力で同種族を召喚する


 という今の場合真心の意思ひとつで草食動物ならなんでも出せるのだ。

レベルは0、知性段階は2と下地作りの為のマモノの一つだ。


「これだけ出せばいいかな、森も順調に広がり続けてるし、この子達もっと」


 さて、真心が次に出すマモノとは……

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