女神からのご褒美
土曜日が過ぎて日曜日、真心と空はだらけ切っていた。
体感で言えば3日間ずっと戦ったのだ、その疲労はすさまじいもので。
二人して真心のダンジョンの畳部屋で寝転がっていた。
シスタはそんな二人の姿を正座しながら見守るだけで何も言わない。
激戦を共に経験してる身としてここで姿勢を正せと言うほど鬼ではない。
「真心様ー、お客様なのですー」
「あ、こんにちはエルザ、お客様? この島に?」
「女神様とかいってるのですー」
「そう、じゃあ通して」
「女神様って誰。真心ちゃん?」
「んー、私をダンジョントレーナーにした人」
「やっほー! 真心ちゃん元気にしてた? って見事にだらけてるねー」
ダンジョンに一人の少女が真心を呼びながら入ってくる。フェアリーのリーダーである真心に名前を貰ったエルザだ、何やらこちらに女神が客として来たそうで。
真心はそれを通すようにエルザに言えば、女神はほどなくして入ってくる。
その姿は以前の古代ギリシャの服から、渋谷のスクランブル交差点を歩いていそうな派手なファッションになっていた。神様というより金髪も相まってギャルである。
「まぁ、昨日あれだけ戦いましたから、シスタ、女神さまにお茶出してあげて」
「えっと、始めまして女神様」
「知ってるよ、真心ちゃんのお友達で安住空さんだっけ? 空ちゃんでいいかな?」
「えっと、はい大丈夫です」
「で、何か用事があって来られたんですか?」
「勿論、あ、シスタちゃんありがとね、まずは一つめ、初めてのダンジョンバトルお疲れ様」
さすがに女神が来たと言う事で、二人は姿勢を正しちゃぶ台の前に座り女神も一緒になって座る、真心はすぐにシスタにお茶の用意をさせる、その間に空が女神に自己紹介をすれば既に知っているのか下の名前で親し気に呼び始める。
さて、女神の用事とは何か? まずは前回のダンジョンバトルを労いに来た事。
そしてそれに勝った真心への女神からのご褒美であった。
「まずは新しい能力、ダンジョンに行きたいって念じながらドアや引き出しを開けばダンジョンにいけるようになるよ、後、ダンジョンを経由して自分の知ってるドアや引き出しにもワープ出来るようになるよ、ただし、ワープ昨日は1日3回までだよ」
「便利な能力ですね、ありがとうございます」
「それと、空ちゃんにもこれからも真心ちゃんのサポーターとして頑張ってもらう為に真心ちゃんのマモノを作る力以外の能力を上げるよ」
「え、いいんですか、ありがとうございます」
「それとこの能力を上げる権利を真心ちゃんに貸しておくね、他にいい仲間がいたら引き込んであげてね」
「わかりました、有効に活用いたします」
「さてと、次に最後にこれ、金一封です、仲良く分けてね」
「え、お金?」
「これは女神からというより私個人からのご褒美、大丈夫女神様株やってるから沢山お金持ってるの」
俗な神様もいたものである。
「それじゃ、よい週末を」
それだけ言うと女神は去っていく。真心と空は早速、封筒を開く。
中にはなんと10万円が入っていた、高校生が持つには大変危険な大金でもある。
「ど、どうするこれ」
「え、えっと、少しだけ取って、後はここに隠しとく?」
「そ、そうしよっか」
二人もさすがにこれには怖じ気つくのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます