確定申告、そして

 慌ただしい確定申告のシーズンも終わって二週間ほどが経過し、今年は遅かった春の訪れがようやく見えてきた今日この頃。

 あるなろう作品のコミカライズ担当の脱税が、ネット上で話題になっていた。


 とはいえ社会人を数年やっていれば確定申告が不要などという話にはならない気もするが、あるいは出版社から天引きされているとでも思っていたのだろうか。


 他人のことはさておき、筆者のような零細投稿者であり、消費税の免税事業者でもある身からすれば文字通り異世界の話ではある。脱税などしたところで減らせる支出はたかが知れている。問題があるとしたら経費の解釈の仕方ぐらいと思われるが、万一追徴とかになっても数万円程度だろう。

 逆に、後にして思えばもう一万円ぐらい減らせたんじゃないかというのもあったりするが、今さら言うまい。


    ◆


 今年も3月15日に、例年と同じく確定申告の期限が訪れた。


 この作業も、もう10年ほど繰り返してきた。

 退社してフリーランスになった初年度は税務署に行って確定申告をしたが、かなり混雑して時間がかかった。

 そこで次の年度からは、ネット上で確定申告のできるE-Taxを利用することにした。

 慣れないうちはそこそこ時間が掛かった。

 しかも一年に一回だけのことなので、慣れたかと思いきや次の年にはわからなくなっていることも多かった。


 それでも、毎年やっているうちに少しずつ慣れ、近年では入力自体は数時間でできるようになった。

 問題は、それまでの下準備である。


 必要経費の領収書とか、医療費とか、取引先からの明細とか、色々な費用をExcelにすべて入力し、確定申告用サイトで入力しやすいように整理する。

 月単位ぐらいで整理しておけば、確定申告の時に楽ができるとはわかっているが、現場のシーズン中は余裕がない。


 というわけで今年も、確定申告前に数日掛けてデータ整理を行うことになった。


 そして確定申告は無事に、といっても色々忙しかったので最終15日までずれ込んだが、とにかく無事に終了した。


 これにて面倒な作業は終了……というわけにはいかない。


 今年からは。


 昨年10月に始まったインボイス制度のせいで、消費税の申告も必要になったのだ。


    ◆


 最初に書いた通り、筆者はこれまで消費税の免税事業者であった。要するに年収一千万円未満なのである。

 しかし、色々あってインボイスの登録事業者となったので、年収が少なかろうが消費税を納めなければならなくなった。


 これも、報酬や給与をもらっている会社や個人からの収入をまとめてExcelに入力し、整理する。

 今回については10月以降のものだけでよかったので、量は少なく、作業も2時間ほどですんだ。


 そして、E-Taxからの入力。


 あれ……? 全体の合計金額だけでいいの……?


 どこの会社からいくらもらったのか、分ける必要なし?

 それぞれの所在地とか、登録番号も入力不要?


 これでほんとに大丈夫?


 などと言っても、入力するところがないのでできることもない。


 拍子抜け、と言っては何だが、入力から結果送信までは20分もかからずに終わった。


 来年からは一年分になるので、もっと効率的に準備をする必要があるだろう。

 と思っても、結局多忙で後回しになりそうな気がするが。

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