いつもと違う日々
さて、しばらく間が空いてしまったが、今のところ例年通り、いや、今年の秋は例年以上に忙しい日々が続いている。
しかし、仕事内容も今まで通りかというと、色々と変わってしまった点も少なくない。今回はその、『いつもと違う年』を振り返ってみたい。
◆
調査の仕事の量は年度や項目によってムラがあり、昆虫調査の仕事は昨年・2019年は例年より少なく、今年・2020年は多いだろうと言われていた。
ところが、ふたを開けてみれば春先からコロナウイルスの影響で、特に春季には大きな影響が出た。
まず、4月から5月に予定されていた現場が、いくつか翌年に延期になった。まあそれは緊急事態宣言も出ていたし、仕方ないだろう。
とはいえまったく仕事がなかったわけではなく、近場で短期間の仕事を細々とやっていた。
そして、5月末に緊急事態宣言も解除され、いよいよ初夏から夏の調査が一気に始まる事となった。
まず、何が違うかというと、街中での行動時と同様に、調査中も基本的にはマスク着用となる。
しかし、皆さんも経験済みかと思うが、炎天下でマスクをしていると非常に息苦しい。鼻からにせよ口からにせよ、空気を吸うときにはマスクのせいで流れが悪くなっている気がするし、逆に湿気がこもってのどの渇きを感じにくくなるというのもあるらしい。
そのあたりは、ニュースなどでもよく警告されていた。
ましてや、炎天下の野外を朝から夕方まで歩きまわる、さらに山登りとくれば、その危険度はさらに増すだろう。
人から聞いた話ではあるが、実際にマスクを付けて作業をしていて軽度の熱中症になった人もいたそうだ。
自分の方は、実際結構息苦しかったので、滅多に人に会わない山中の現場であることを幸いに、マスクを外して作業をしていた。そして、集落に近いところで作業するときや、近くに人がいるときなどはマスクをするようにした。
それで、多少は危険度も下がり、あとはいつもの夏とほぼ同じ暑さ対策のみとなった。
この仕事も結構長いので、夏の暑さ自体はある程度慣れているのである。
とはいえ、慣れたといっても暑くても平気というわけではない。ちゃんと対策がとれるようになった、ということだ。
その、慣れるまでにはいろいろあったのだが、長くなるのでそれは別の機会に。
そうやって、何とかこの夏はなんとか乗り切ることができた。
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次に、現場のための宿泊について。
ホテルの方でも感染対策が行われており、入り口の消毒液はもちろん、チェックイン時に体温の計測も行われるようになった。
現場によっては、作業前日に車で5時間かけて移動ということもある。その後、夜にホテルに到着したら熱が出ていた、ということになったら一体どうなるのだろうか。
もちろんホテルの事情も理解できるし、他の宿泊客や従業員もいる。
とはいえ自宅から通える距離ではないし、考えうる手段は車中泊ぐらいか。
車中泊についてはあまりいい経験がないのだが、それは仕事ではなくプライベートの話なので今回は省く。
まあ、会社からどんな指示が出るかは実際そういう状況になってみないとわからなし、もちろん試してみるわけにもいかない。あちこちに迷惑がかかるだろうし。
今のところ、いつも以上に体調管理をしっかりする、という以外に方法はなさそうである。
その他、実際にあった会社からの指示が、『ホテルの朝食バイキングを食べないように』というもの。
いつも朝食は混雑するので、密の防止のためある程度は仕方ないかもしれない。そこで、前日の夜に近所のスーパーやコンビニで朝食を買っておき、出発前に部屋で食べることになった。
なお、朝食費は別に会社から出る。その辺りは問題なし。
それと、これは会社からの指示ではないが、温泉のあるホテルに泊まったけど、気が進まないので部屋のユニットバスで済ませた、ということもあった。
あと、GoToトラベルについてだが……。
とはいえ自分はフリーランスの下請けなので、実はあまり関係がなかった。ホテル代はいつも会社の人が払っているので。
現場によっては多数の調査員が必要となることもあるので、会社の方は結構経費削減になったのではないかと思う。
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最後に、都道府県をまたぐ移動について。
仕事にはステイホーム、テレワークが可能なものとそうでないものがあり、もちろん生物環境調査は後者である。
うちの業界に限らないが、仕事上どうしても長距離移動が必要なものもある。
47都道府県それぞれである程度経験を積んだ調査員を項目ごとに用意する、というのはさすがに困難だろう。
というわけで、今年も例年通り、というか最初に書いた通り今年は昆虫の仕事が多いということで、近畿を中心に中部地方から中国・四国地方まで各地を渡り歩くことになった。もちろん、感染対策はちゃんとした上で。
それから、他府県ナンバーの車が傷付けられたり、誹謗中傷を受けたり、あおられたりするという話をニュースでよく見かける。
幸いに、傷や誹謗中傷はなかった。
あおり運転については……。
某地方では、以前から慣れない道をゆっくり(それでも、制限速度は多少超えている)走っていると地元車にあおられ、2車線以上の道で右側車線を走っているとあおられる。高速道路じゃないから追い越し車線というものもないし、右折の時など右側を走る必要もあったりするのだが。
それに、地方だけでなく筆者の地元である関西某都市でも変わらない。筆者の仕事場周辺は、近くの国道の混雑を避け、信号待ちをしなくて済む抜け道になっているのだが、歩行者に気を付けながら走っているとやっぱりあおられる。
だから、あおり運転については、コロナとか他府県とかは関係なくいつも通りと思われる。
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