怖い話
怖い話といっても、怪談の類ではない。
怪談が苦手な方はご安心下さい。
そもそも筆者には、いわゆる『霊感』と呼ばれるものがないらしい。
山の中で車のバックミラーにいないはずの人が見えたとか、デジカメに謎の『眼』が写っていたとか(これは操作ミスで自分の目が変な風に写ってしまったらしい)、鳥類調査中に
だから、怖い話と言うより危なかった話ということになるかもしれない。
いや、ビクッとしたというか、ゾッとしたというべきか。
車を運転中にそうなったのは二度ほど記憶に残っており、一度は夜道を走行中の車の後部ドアがいきなりノックされた時。
それは、車の揺れでずれた荷物がぶつかっていたのが原因であり、別に怪談でもホラーでもない。
そして、もう一度は…………
◆
現場からの帰り、ある自動車専用道を走っていた。片道二車線の、結構急な上り坂だが、交通量もそこそこ多い。
時刻はちょうど
大きさは中型犬くらいだろうか。銀色に光る丸い何かが、隣の車線をこちらの車と並走するように坂道を駆け登っていた。
◆
話は変わるが、やはり野外調査で恐ろしいのは動物であろう。
野生動物については、長くなりそうなのでまた別の機会に書くことにする。
動物の中には、人間も含まれる。
道路やダムなどの工事前の調査の際、場所によっては反対派の人もいたりする。とはいえ、計画段階である程度の事は地元に知らされており、逆に調査側も反対派の人の土地は立ち入らないように通達される。
そのせいか、筆者はトラブルらしいトラブルにあったことはない。
それよりも、なんといっても実害の多いのは犬である。
地方の山沿いに行くと、放し飼いの犬がよくいて、公道を歩いていても絡まれる。谷の入り口にいて中に入れないのはまだいいほうで、一度は帰りに犬に追い掛けられて谷から出られなくなった。
仕方がないので、その時は谷の奥に戻り、山の斜面を登って尾根を越え、隣の谷に抜けた。
なお、その現場は日は違うが前に書いた蛭にやられて血まみれになったところである。あそこはいい思い出がない。
◆
さて、車で見かけた銀色の何かの話に戻ろう。
注意しながら運転しつつちらちらと様子を伺って、何とかその正体を確かめることができた。
それは、車のホイールキャップ。
斜め前を走っていた車のタイヤから、何らかの原因で外れた直後らしかった。走行中の回転の勢いがまだ残っており、転がりながら坂を登っていたのだ。
その後は不明。自動車専用道で停まれるような場所もなく、後続の車も来ていたのでそのまま進むしかなかった。
事故などの情報はなかったので、大事には至らなかったようである。
ただ、タイミングや場所がずれていたら、どうなっていたかわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます