女性探偵が主人公の現実的な話と、少年や喋るカモノハシが出てくる童話の様な話が一つになっていく物語です。
話がどちらかに偏りすぎると、ただのファンタジーかミステリーになりかねないところを、絶妙なバランス感覚で幻想的な物語に仕上げているところがこの作品の優れている点だと思います。
現実と空想の境目を限りなくぼかして分からなくする方法もありますが、こちらは逆で継ぎはぎをパッチワークのように作品世界の一部にして違和感をあたえないというこれまた上手いやり方だなあと思いました。
また、話に出てこない部分についても、設定をとことん作り込んでいるなと感じる部分が随所に見られ世界観に深みを感じました。
とても良い塩梅に、不思議な作品です。
是非、読んでみてください。