王の試練
「ワタクシはクロ様にこの世界を案内する必要がございます。クロ様が王となるための試練なのでございます。」
「しばらく西へ歩きますと、小さな町があるはずでございます。」
「ナダ様とそちらの〈死神〉のお方もどうかご一緒くださいませ。」
それにしても、この姿では皆様の歩く速さについていけません。とカモノハシは言った。
「〈死神〉アポトーシス・オルガ様、ワタクシを"ニンゲン"の姿にして頂けませぬか。」
「〈死神〉と言うな。アオと呼んで欲しい。」と言い、顔につけていた牛の頭蓋骨を模した仮面をとった。
アオは透き通ったような肌をした美しい顔をしていた。
アオは唇に指をあてて、カモノハシに息をフーっと吹きかけた。するとカモノハシはスライム状の塊となった。
そして再び息を吹きかけると、スライム状の塊は少女の姿となった。ちょうどシロやクロと同じくらいの背丈の少女であった。
少女は裸であったため、クロ王子は目をそらすように後ろを向いた。
アポトーシス・オルガは、自分と同じ色の青い衣を少女に着せてやった。
「カモノハシ、お前、女だったのか?」とシロが聞いた。
「女?ああ"ニンゲン"のメスということですね。はいワタクシは女でございます。」
「ナダ様、西の町へ行きましょう。」
ナダは、俺のことはシロと呼んでくれと言った。
------------------------------
≪登場人物紹介≫
・シロ ・・・ 本当の名をゲンカイ・ナダという。
・クロ ・・・ 本当の名をクロ・ト・ジュノーという。ジュノー王国の王子。
・アオ ・・・ 本当の名をアポトーシス・オルガという。〈死神〉と呼ばれることがある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます