第87話【👻霊感少女カスミ①】

 私の名前はカスミ

高森たかもり香澄かすみ

 高校3年の受験生

 大阪に住む浪花JKってヤツ

偏差値53~55

無駄な抵抗で進学塾に通っている。



 一人でいても、一人じゃない、私の後ろには三人の背後霊が憑いている。


 しかもみんなかなり個性的。

 コミュ障の大学生に、生意気な小学生、そしてリストラされて嫁に逃げられたサラリーマン。


 もちろんみんな、この世には存在していない霊体としてストーカーのように私のそばにいる。


 まぁ、暇つぶしにはなるので除霊とかせずにいるのだけれど、ある日困ったことが起こった。


 サラリーマンには今年小学生になった女の子がいるの、その子がどうやら、学校でいじめにあってるらしい。


「カスミちゃん、何とかなりませんか?父親らしいことも出来ずに、あの世に行っちゃったから、どうにかしてやりたいんです」


「てかさ、離婚しちゃってるんやし仕方ないんちゃうの」顔もあげずに返事をした。


 私は関西人なので、関西弁を使う、でもさ、友達なんかほとんどが標準語っぽい言葉を喋る、あれどうにかならんのかな?


「カスミちゃん!聞いてますよね、どうして無視するんですか?」


「あんな~私が受験生なの知ってるやろ?今がいちばん大切やねん」

指についたハッピーパウダーをペロリと舐めながら薄毛サラリーマンをみた。


「でも、さっきからスマホのゲームばかりしてますよね、それなら何か考えてくれたらどうですか?私たちは一心同体でしょ」

 私は飲みかけのポカリを手に取って飲みながらサラリーマンを睨んだ。


「誰が好き好んで後ろに憑かせてあげてると思ってるん?もはやボランティア活動やで」


 後ろで私のベッドで寝転んでいたコミュ障の大学生が口を挟んでくる。


「カスミちゃん、やってあげたら?僕たちは幽霊だし、そのイジメっ子を懲らしめること出来ると思いますよ、それで松尾さんの魂も浄化できると思うし、そして僕たちには小学生の仲間もいるだろ?」


 さっきからパソコンでYouTube動画に夢中になっていた小学生がこちらを向いた。


「めんどくさいけど、いいよ、僕も協力する、その代わりに毎日1時間しか使わせて貰えないパソコンの時間を倍にして」


 こいつ、私が留守の時にこっそりパソコンばっかり見てるのを知らないと思ってる。ヒカキンとかはじめしゃちょーの動画ばっかり観ていて、生まれ変わったらユーチューバーになりたいといつもほざいてる。どの口が言うてんねん。


「しゃーないな、今回だけやで」


 しょんぼりしていたサラリーマン、松川 りょうは少し薄くなっていた頭を上げて喜んだ。


 その日から私と三人(背後霊)のイジメ撲滅作戦が開始された。


 ※続くよ~!

( ꒪ㅂ꒪ )しまった、謎に連載を増やしてるし、(^_^;)エタらないように頑張ります。


登場人物

◇高森香澄・公立高校3年生

大学受験を控えていつもイライラして、三人の背後霊にウザがられているが、実は優しい女の子。


◇川口康蔵・大学入学後すぐに交通事故で死亡、イケメンなのにオタクでコミュ障、ヤッシーという愛称で呼ばれている。


◇松川涼・アラフォーのサラリーマン、リストラ後に嫁に三行半を突きつけられ離婚、アルバイトの慣れない建設現場で事故にあい死亡

とりあえず、保険の死亡給付金が別れた妻子に渡されたのでホッとしてる。

(名義変更忘れで)

涼という爽やかな名前だが、薄毛のフツメン。

小学1年生の娘を溺愛していて、この世を彷徨っている時にカスミと出会った。



◇菱川 蒼太そうた・小学五年生

持病だった白血病で幼い命を終えた。

やんちゃ坊主で、ポジティブシンキングだけが救い。生まれ変わったらユーチューバーになりたいと思っている。



 ◆この物語は、北極ポッケさんのホラー自主企画に参加したいためだけに書いた作品の続きです。背後霊が登場しますが怖い話は皆無です。

 不定期更新です。

 よろしければ、前のエピソードもご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917678257

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