第73話◆会話劇【怪談~電話】

「あのさ、ユカちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」


「何? 誰か好きな人でも出来たの? 」


「うん、まあそれもないことはないんだけど、それじゃなくてさ」


「松田君の事だよねルイが好きなのって」


「なんで知ってるのよ」


「そんなもん、何年友だちやってると思ってるのよ、ルイの事ならわかっちゃうよ」


「ハハ、そうだよねバレバレだったか、だけど今日はその話じゃないのよ」


「なによ、何かあったの? 」


「私さぁ、子どもの頃からなんだけど、電話がなる前に誰から掛かるかわかっちゃうの」


「へぇーそんな話聞いたことあるけど、ルイもそうなんだ」


「あっ鳴るな?って思ったら顔が浮かぶのよ」


「あ~便利だねぇー」


「まぁ、確かに便利といえば便利なんだけど」


「なんか変な電話とか来るの? 今はスマホばっかりで家電いえでんなんかに電話してくるのって、なんかのセールスか宗教とかじゃないの」


「そうそう、あとはオレオレ詐欺とかね」


「本当それ!年寄り騙して最低だよね」


「私が言ってるのはさ、そんなんじゃないのよ、この頃一日に1回くらい掛かってくるの」


「え? 間違い電話じゃなくて? 」


「それがさ、間違い電話だと思ったのよ、最初は……」


「嫌な電話なの? 昔さぁ小学生のころ、留守番してる時に変な電話掛かって来たことあるよ~パンツ履いてるかなんて、変態から」


「確かに、そんなことする人いるよね~キモいよね~そんなんでもなくってさ、電話がなる前に顔が浮かぶっていったでしょ、それが浮かぶ顔が真っ黒なのよ」


「何それ、真っ黒って」


「わかんないんだけどね、そんな真っ黒な顔が浮かんで、電話が鳴り続けてるから仕方なく受話器をとったらさ……無言なのよ」


「何それ、やっぱり変態じゃないの? 」


「最初はそうだと思ったんだよね、でも今までにもう10回以上掛かって来てるんだけど、いつも黒い顔、そして無言なのよ」


「ストーカーとかだったら怖いから警察に届けたら? エスカレートする前にさ」


「うん、そうだよね、でも何も言うわけでもないし、放置しちゃってるのよ、しかも掛かって来るのって誰もいない1人の時だけだし」


「ナンバーディスプレイとかにしてみたら? ルイん家やってないの? 」


「ナンバーディスプレイだよ、何故かその電話が掛かった時、何も表示されないのよ、しかも履歴にすら残ってない、なんか変だよね」


「マジで怖い、てかキモいね」


「ハハハ、別にキモいって思ってはないんだけどね」


「確かに不思議だよね、ルイってさ霊感ってあったっけ? 何か見えちゃう系の人だったっけ 」


「きゃー怖いこと言わないでよ、ないよ~霊感なんてさ……ただ電話の時だけなのよ 昔から」


「でも、掛けて来る人わかんないんだし、あまり気にしない方がいいよ」


「あ…………ちょっと待って……電話がなる気がする」


「誰から?………また?黒い顔? 」


「…………………………」


「ルイ!大丈夫?」


「………………………………」


「ルイってば!どうしたの…………!

返事してよ!!! 」


「…………………………………………………………」


「ルイ!ルイ!ルイ━━━━━! 」





【了】

*夜中に書いていて自分で怖くなるという………ハハハ

地の文ないよね~どこに消えたんでしょうね~(確信犯)

黒い顔の誰か? ……死神さんなのか?

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