第44話【サンタさんとママ】



 ボクにはパパはいない。

 保育園ほいくえんのころ1度だけママに聞いた時、今まで見たことのない悲しそうな顔をしたから

 もう聞くのはやめたんだ。


 涙がこぼれそうになってるママの顔をボクは忘れない。



「サンタさんってパパなんだよ」

 お友達ともだちがこっそり話しているのを聞いたけど、ボクは違うと思う、だってボクにはパパはいないんだもん。


でもねサンタさんは、クリスマスの日にボクが好きなものをプレゼントしてくれるんだよ。

だからきっとサンタさんはいるんだ!

 ボクは信じている。


ママのお仕事しごと病院びょういんでご飯をつくる栄養士えいようしってお仕事なんだ


毎日たくさんの人のご飯をつくってるんだよ。

 そしてお家でもお仕事をしている。


 ボクがお布団ふとんで寝ているときもお仕事してるみたいだ。

 キレイなお花を作ったり、小さなお星さまをつなげたりしてる


 たまに寝坊ねぼうをして「ゴメンねカズくん!ママ失格しっかくだね」

 っていうけど

 ボクはママが大好きなんだ。


 遠足えんそくの時なんか、お友達ともだちが見にくるくらいカッコイイお弁当を作ってくれる。

 仮面かめんライダーやピカチュウのお弁当なんだよ、すごいでしょう?


 だからボクはママが大好きなんだ


 今日の朝


サンタさんがやっぱり来てくれたみたいだよ


 だってプレゼントはみんながもってるニンテンドースイッチだよ!


ボクがぴょんぴょんとびはねて喜んでるのを


 ママはニコニコしながら

 みてたんだ


 ママが笑っていると

 ボクはすごくうれしい


 サンタさん

 ママにもプレゼントくれないかな


 

 サンタさん

 おねがいします!!

こんどのクリスマスにはママにもプレゼントをもってきてね


 サンタさん大好きだよ!

 ママの次だけどね…




~世界中の子どもたちに愛をこめて~

サンタさんより一言

「その喜んだ笑顔がママへの1番のプレゼントなんだよ、大好きをありがとう!」

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