第28話【謎の占い師・桐谷沙羅咲】
【謎の占い師・桐谷紗羅咲】
この町で予約の取りにくいと評判の占い師「桐谷沙羅咲」やっと自分の番がやってきた。
飲み屋街にある古いビルの2階にあるこの小さな部屋その扉に小さなプレートが掛けてある『占い桐谷
薄暗い部屋の中にはキャンドルがたくさんあって異国の香りがする、きっと何かの花の香りのお香が焚かれているのだろう。
心の中で質問したいことを確認しながら約束の時間にこの店を訪れた。
「どうぞ」
薄いシルクのカーテンの中に長い髪の女性が座っていた。
「よろしくお願いします」
しかしなんて美しい人なのだろう、女優だと言われても納得するような綺麗な顔立ちの女性だった。
「今日はどのようなことを知りたいですか?」
やわらかな声で聞かれた。
「いま付き合ってる男性のことなんですけど…」
私には2年前から付き合ってる男性がいる、私ももうすぐ30歳そろそろ結婚を考える時期だ、プロポーズを待ってる自分の心にも何らかの答えを出したい。
彼氏はごく普通のイケメンでもないしブサイクでもない、私だってそれなりなのだからお似合いのカップルだと常々思っている。
二人の名前と生年月日を聞かれ、彼女は私の手相を見ながら言った。
「結婚しますよ…ただし…」
そっか結婚は出来るんだ…って何?ただしって何?
「珍しいですね、貴女にはハッピーエンドとバッドエンドどちらの運も選べるみたいです、長年たくさんの方を運勢を占って来ましたが初めてです」
「そんなに、珍しいのですか?」
「はい、だいたいそのどちらかが頭に浮かぶんですけどね…」
「ハッピーエンドとバッドエンド詳しくわかりますか?」
しばらく水晶に手をかざしていた占い師は静かに語り始めた。
「まずはハッピーエンドからいきますね、結婚して離婚しますが、莫大な慰謝料をもらいます、そのお金で投資して財産が爆増して死ぬまで遊んで暮らせます」
「もう1つは…退屈すぎる日常にイライラしながら夫婦生活をおくり、子どもに恵まれますがごく普通の子どもたちで、何も面白くない人生を終えます、劇的な出来事はまったくない、平凡な生活です、そのどちらかを貴女はもうすぐ選ばないといけない時がやってきます」
自分で運命を選ぶなんて、そんな答えがでるなんて思ってもみなかった事態に気持ちは揺れ動いた。
帰り道でコンビニのおでんを買った、こんにゃくと味の染みた大根、ゆで卵この3種類は私の定番だった。
おでんと梅おかかのおにぎりを食べながら将来の事を考えた。
すでに心は決まってるのだと思う。
LINEのメッセージを知らせる音が鳴っていた…きっと彼氏だろう。
「TheEND」
✵あとがき✵
この占い師シリーズ化するかも(笑)
あと…妄想シリーズも…いつか…
読んで頂きありがとうございます。
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