第27話【僕達のアオハル】

 ぼくたちの未来の話をしようか、田舎町の高校生なんて対した未来なんてないって思ってるだろうけど、僕達には素晴らしい未来がやってくるそうだ、だってこの町で一番有名な占い師のミサキさんが言うんだから確実なんだと思う。

 僕と町田は二人で漫才コンビを組んでいる、披露する場所は文化祭か地元のお祭り会場位なんだけど、ソコソコ笑いは取れている。

 今活躍してるコンビだってきっと最初はこんなスタートなのだろうと思ってる。

 そしてすでにファンだっているさ

 同級生のおりだ、まぁ二人のガールフレンドなんだけどね、ストリート漫才もたまにやってるよ。

 人前に出て漫才をする恥ずかしさに打ち勝つために町田が提案したものだ、この町唯一の繁華街中央通りの空き店舗の前が僕らのステージ、この商店街も以前の活気に溢れたところではなくなったのが寂しい。

もっと小さい頃はこの場所で夏祭りも行われていたし、人通りも今よりずっと多かった。


「カワタ洋装店」とシャッターに書かれたこの場所は僕の親戚がやっていた店だから許可なんて取る必要なんてないからね。


 この土曜日は週1回のストリート漫才の練習を兼ねた新作発表の日だ、観客は早織と茉莉花そして近所の八百屋のおっちゃんだけ、二人のガールフレンドは動画を撮ってYouTubeで二人の漫才を投稿するのだと意気込んでる。

ネタ合わせも毎日公園でやってるし、ネタも二人で一生懸命作ってるさ。


「相変わらず観客いねぇな」

「まぁ仕方ないさ、今にBIGになって故郷に錦を飾ろうぜ」

「何だよそれ、昭和か!」

「ま、頑張ろうぜ」

「おう!」


青春のこの1ページ目はまだ始まったばかり

 10年後「M-1グランプリ」の決勝で舞台の中央に立っているかもしれないし、違う人生になるかもしれないけれど精一杯青春を生きてるこの日々は二人の人生の中でいつまでもキラキラと輝いているだろう。



❈あとがき❈

テレビに出ている芸人さんたちは、たくさんいる芸人のなかでもほんのひと握りだと聞きます。小学生の頃吉本の劇場でダウンタウンさんハイヒールさんなどを観たことがあります、ハイヒールさんがめちゃくちゃ面白かった記憶があります。ダウンタウンさんは何故か印象に残ってませんでした(爆)



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