第15話【天使と僕と黒猫】

 天使と僕と黒猫ฅ(=・ω・=)ฅ


 母さんがいつも話してくれたのは、僕が生まれた日に天使をみたのだというお話、へその緒が巻きついて仮死状態でこの世に生まれた時に、分娩室に2人(2匹?)のちいさな天使がふわふわと羽根を振りながら母さんの周りを飛んでいたそうだ、そのあと「おぎゃー」と大きな声を上げた途端にすっと消えたんだって、何度も聞かされた天使と僕の話だった。


 中学生の頃からはさすがに、それってただの幻なんじゃないかと思い出してきた。

 天使がトレードマークの某お菓子メーカーの「チョコパイ」は相変わらず好きだけど、天使が実在するなんて子どもっぽい話は忘れかけていた。


 そんなある日にそれは現実なんだと解るときがきた。


 それは学校から帰る夕方のこと、重たいエナメルのカバンを持って疲れた身体を引きずりながら歩いている時に道路の片隅に猫の姿を見つけた、血は見えなかったけど車に跳ね飛ばされたのかグッタリしていた。

 嫌なものを見てしまったものだとちょっと離れながら通り過ぎようと思ったときに「みゃー」と微かな声を聞いた、僕は動物が大好きだ犬も猫も可愛いと思う、近づいてみると、まだ子猫と思われる黒猫が僕の顔をみて「みゃーみゃー」と鳴いた、カバンからスポーツタオルを引っ張りだして、そっと包んで走った。

 この時間は母さんが夕飯を作っているころだ、重たい荷物と同じくらいにちいさな子猫の命を持って走った。

 玄関にカバンをほおり投げて「母さん、ちょっと来て!」


「シンくんお帰り、どうしたの?」


 エプロン姿の母さんが僕を迎えてくれた、僕はそっとタオルを開いた。


 微かな鳴き声をあげるちいさな命


「まぁ大変、ちょっと待ってて…」


 母さんはちいさなバッグと車のキーを持って玄関先の僕に声をかけた、「動物病院に急ぐわよ」


 母さんの軽自動車の後部座席で僕はちいさな命を手に祈った。


 病院は夕方の診察でたくさんの犬や猫でいっぱいだった。


 猫の様子を見た先生も待合室にいる人たちも優しい。


「すみません、緊急を要する子猫の治療をするので、皆さん少し時間を下さい!」


 待合室の人たちは大きくうなづいてくれた。


 レントゲンを撮ったり、点滴をしたり先生と助手のお姉さんは忙しく動いてくれていた。


「骨折も酷いけど、肺に損傷もあるからここ数日がヤマ場だと思います、できる限りの処置はしましたからこの子の生命力と皆さんの祈りが勝負です」


 ちいさな身体で点滴を付けた黒猫は麻酔で眠っていた。

 母さんと2人で子猫の入ったゲージの前で祈りながら見つめていた。


「助かるといいね」

 母さんは涙ぐみながら僕に声をかけた、僕は流れる涙を止められなくなっていた。

 その時にちいさな天使がふわふわと横たわる黒猫の上で羽をパタパタと動かしながら身体の周りを飛んでいた。


「シンくん見える?」

「うん、天使がいる…母さんが話してくれた……ほんとにいる…」



 母さんの足元にまとわりついている、黒猫の名前は「エンジェル」と名付けられた僕の家のアイドルだ


 天使に守られた僕と天使に守られた黒猫の信じられないだろうけどほんとの物語です。


 残念なことはというと、この家の中で一番懐いているのが僕ではなくて母さんだということだけだ。



✿ありがとうございます✿


カクヨム読めない現象が続いておりまして、スマホが原因なのかわかりません、ログアウトしてから外から読もうと思っても読めずにいます。

カクヨム運営さんにメールをいれましたが、返事はいつになるのやらです

、もしかしたらこの作品が最後になるかもしれません(号泣)

カクヨムに登録したの一番の目的は小説を読みたいからだったので、自分で書いたりコメント頂けたとしても、それだけでは意味がありません、このままカクヨムを去るとしても、アカウントはそのままにしておきます。

ねむこさんの作品のラストも、菊池さんの三蔵さまの復活も読めないみたいです。そして可愛い弟のほろう君の作品も、からすけさんの大好きな作品も…泣く以外に今はどうすることも出来ません。


また復活する日が来たら皆さん暖かく見守って下さい!


エッセイも下書きはして予約投稿の予定でしたが、公開はせず下書きに戻しています。


さよならではなく


またね!と言いますね!


またねーヾ(*´∀`*)ノ

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