お兄さん

第20話 お兄さん

あの人と付き合って10日が経ちました。

あの人に「好き」と言われて「好き」と返すことがしんどいと感じます。

日に日に心と言葉のギャップに苦しめられています。


結局あの人という崖も覗いてみたかっただけで、落ちたわけではありませんでした。


あの人から逃れるために、別のアプリを使って知り合ったお兄さんに会いました。

お兄さんはポメラニアンを飼っている普通のサラリーマンです。

お兄さんと新橋で会って、東京駅まで散歩して、三田線で板橋区のお兄さんのおうちに行きました。


もちろん、しました。

生まれて初めてゴムをつけずにしました。

もうどにでもなれと思っていました。

中には出されなかったけど。


すごく適当な人でした。

適当だけど、甘えたがりで、可愛いお兄さんでした。


私は濡れやすいから、私として達してくれる人は少ないけれど、お兄さんは達してくれました。何回か。

ただ、触るのが強すぎて痛いのです。

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