第19話 あの人

あの人が急に「夜会える?」と連絡をしてきました。

11月1日です。


私はあの人に会いに大宮まで行きました。

夜ご飯を食べて、近くの公園を散歩し、私はあの人に手紙を渡し、あの人は手紙を読んで改めて告白してくれて、私は受けました。


大宮から出ているニューシャトルという電車に乗って、あの人の家に行きました。

あの人の家はど田舎でした。

とても星が綺麗に見えました。


あの人は、芸人と言っています。

ショールームがしたいと言っていました。

私は気を遣って、家から出ることにしました。

夜中の12時でした。

上着も持たずに外に出て、凍えました。

見知らぬ土地で、夜中に一人で歩くのはとても怖くて心細くて、あの人が憎かったです。

いくら自分から言い出したことだとしても、憎かったです。


15分くらいで電話がかかってきて、また家に戻りました。

私が少し怒っていたので、冷えた身体を抱きしめながらたくさん謝っていました。

その日は寝て、次の日の朝早くにあの人の家を出て家に帰りました。



今日は11月4日です。

昨日からあの人からのラインは来なくなりました。もともと苦手だったので何とも言えませんが、少しむかつきます。


私は手紙に私のことを大切にしてと書きました。

あの人は、私に改めて告白をしてくれた日から私を大切にしていません。


イライラが募ってきます。


普通のカップルが分かりません。

セックスから入ったからか、出会い系で出会ったからか、理由はわかりませんが、この恋もうまくいかないと思います。


私がうまくいかせようと思わないから。


付き合った途端、あの人も私も、何となく冷めた気がします。

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