第16話 あの人

あの人と中野で会って、北口の方のインドカレーを食べて、高円寺まで歩いて、ラブホテルに入りました。


あの人に「ラブホテルは初めてだ」と言ってしまったけれど、初めてではありません。行きずりのサラリーマンとした時にラブホテルへは行きました。


何回かして、ちゃんと睡眠も取りました。


あの人は私の中でいったことはありません。

私が濡れやすすぎるのと、あの人が遅いのが原因です。


いつもは私と同い年くらいに子供じみた話をするのに、そういう時だけ「触ってもらえるだけで気持ちいい」と言い、大人の余裕を見せつけます。


あの人のことが好きです。


何度も、好きと言いました。

あの人も私を好きと言ってくれました。


でも、その先をまだ言えません。

「付き合って」と言えません。

あの人は、私から「愛してる」が聞けたら付き合おうと言ってくれました。


私は自分の「好き」を信用していません。

あの人のことが大好きだけれど、この気持ちがいつか冷めたら、、、と考えてなかなか踏み切れません。


でも、今は間違いなくあの人のことが大好きです。

あの人とするハグもキスもセックスも全部私は好きなのです。



私は月曜は午後から授業があるので、帰らなければいけませんでした。


あなたと高円寺から新宿へ向かい、別れる時は後ろ髪を引かれていた気がします。


もう、あなたのことは一切考えられません。

あの人が私にしてくれた優しいことで私の頭は一杯です。

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