第15話 あの人
あなたとは日曜日に新大久保で会う予定でした。
でも、私はあの人と日曜の夜に、中野で会う約束をしました。
金曜にしたあの人との電話でも「どうしてこんなにこの人に夢中なのに、他の人に会いに行かなきゃいけないのか」と思わず呟きました。
あの人は喜んで、「会ったらキスをする」と宣言をしました。
あの人は、初めて私と会って、朝帰りをした別れ際、鶯谷駅のホームで私にキスをしました。きっと人はいたと思います。
そのキスが忘れられません。
あの人のことをたくさん考えていると、あなたからLINEが来ました。
「ごめん、仕事忙しくて無理してたら熱出た」
それと同時に体温計が38.9度を示す写真を送ってきました。
写真は送らなくてもいいのに、と思いました。
あなたに会うまでに、私はあの人と付き合うと思います。
私は日曜にあの人と会う時、あの人の気持ちに応えようと思っています。あの人が私と遊ぶ気なのか、本気なのか分かりませんが。
この疑心暗鬼で不健康な心理状態を脱するには、ここに独白を素直にするのが1番心が落ち着きます。
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