《ザコ冒険者!》
模擬戦を終え、受付に戻って来た俺達。
「それでは、今から登録の証、ギルドカードを発行しますのでお待ちください。」
そう言って作業を始めるクレアさん。
「はい。出来ました!こちらに乗ってるのは名前とランクのみとなっております。こちらは冒険者としての身分を示す物なので無くさないように気を付けて下さい。再発行には金貨20枚が必要となります。」
そう説明してくれるクレアさんからギルドカードを受け取る。
「それと、街の東の門から出た先にある[
あの森ってそんなに危険な場所だったのか。
「わかりました。それで探している人っていつぐらいに街に戻りますか?」
転移者が戻ってくるまでは少なくとも先に進めないし、早く戻ってくると嬉しいんだけど。
「そうですね。おおよそですが、1週間位で戻ってくると思います。戻って来たら必ず教えますので!それで、今日は何か依頼を受けますか?」
いや、今日は依頼を見るだけでやめておこう。
「いえ、今日はやめておきます。一応、どんな依頼があるのか教えてくれますか?」
クレアさんに聞いてみると彼女は右の方を指差した。
「そういうことでしたら、あちらの掲示板に依頼が貼られていますので確認出来ますよ!」
右の方では一部の冒険者が集まっている。どうやら掲示板はあそこらしい。
「ありがとうございます!」
クレアさんにお礼を言い掲示板に向かう。受付の右側は冒険者の休憩スペースになっているようだ。
俺が掲示板に向かうと周りの冒険者が視線を向けてくる。俺は気にせず掲示板に向かい、他の冒険者の後ろから依頼を見てみる!
さて、Fランクの依頼はどれかなっと。Fランクの依頼を探すといくつか発見した。
(採取依頼。ホーンラビットの角。Fランク。活動場所、草原。)
『なあ、ホーンラビットってどんな魔物?』
〈ホーンラビットはFランクの魔物でレベルは1~10です。一番強いホーンラビットでもFランクの冒険者には大した事はありません。〉
ふ~ん。
『魔物のランクって、レベルで区別してるって言ってたけど、実際はどんな感じに別けてるの?』
〈魔物のランクは低い順に、Fランクは1~10。Eランクは10~20。Dランクは20~40。Cランクは40~60。Bランクは60~80。Aランクは80~90。Sランクは90~100で別けられております。〉
『何でFランクとEランクはレベル差が10しかないのにDランクからは20も差があるの?』
〈それは経験の差を考えているからです。FランクとEランクの魔物は、まだ駆け出しの冒険者が闘う相手ですので、そこで経験を積んだ冒険者からがDランク以上の魔物を相手に闘う事が出来るようになります!〉
なるほど。結構、考えて決めてるんだな。
『じゃあ、冒険者のランクはどの位のレベルで別けてるんだ?』
〈冒険者はFランクは大体、レベル10~20、初心者ですね。Eランクは大体、レベル20~30、かけだしの扱いです。Dランクは大体、レベル30~40、ここで一人前です。Cランクは大体、レベル40~50、ベテラン扱いの中堅冒険者です。Bランクは大体、レベル50~60、ここまで来たら上級冒険者です。Aランクはレベル60~70、普通の冒険者の最高ランクですね!Sランクは他の冒険者とは一線を画す存在で、レベルは70~90、今までに確認されたSランク冒険者の最高レベルが90です。〉
『ランクは同じでも魔物とのレベルに差があるのか?』
〈はい。ですのでランクの高い魔物になってくると1人で闘う冒険者は少ないです。〉
まあ、俺は剣だけでもBランクの魔物とは闘えるし、魔法も使えば大抵の魔物は倒せる。Aランクはまだ闘ってないけど大丈夫だと思う。
とにかく、他の依頼も見てみよう!
『Fランクは基本、採取の依頼しかないんだな?』
『Fランクは初心者ですから。Fランクで冒険者の基本を学んでいきます。』
小説と似たような話だな。どこの世界でも似たような事を考える人はいるんだな。
他の依頼も似たような感じだな。薬草とかは薬とかを作るのに使うのかな?
『この世界の薬ってどんなのがあるんだ?ポーションとかあんの?』
〈はい。一般的なのは、スタミナポーション。キュアポーション。マナポーション等があります。さらに、王族などの中にはどんな怪我も治す神薬を持っている者もいて、効果の高い神薬は死体でさえ短時間しか経っていなければ蘇生すると言われています。〉
神薬か。確かに王族とかが大事に持ってそうだよな。一通り依頼を眺めていると後ろから声がかかった。
「おい。何で獣人がギルドの中にいるんだよ?」
馬鹿にするような声が聞こえる。後ろを向くと入り口で会った男達の1人が立っている。
「おい。何か言ってみろよ?ビビって声もでないのか?」
そう言って馬鹿にする男。良く見ると後ろの席に座って笑っている仲間もいる。コイツらレイモンドに比べると弱そうだよな?とりあえず鑑定してみる。
{ダイル。レベル17。ランクF}
なんだ、Fランクかよ!しかもレベル17って。本気でやったら一撃で殺せるぞコイツ。え?いや、殺さないよ?
俺がどう対処しようか悩んでると隣から声がかかる。
「何をしているんですかダイルさん?」
そう言ってクレアさんがダイルを問い詰める。
「ああ?受付嬢には関係ねえだろ。引っ込んでろ!」
そう言ってクレアさんに怒鳴るダイル。いいのか?周りの冒険者が凄い睨んでるぞ?
クレアさんはかなりの美人だ!スタイルもかなり良い。しかもまだ20歳らしい。絶対、冒険者の間では人気だろう。
ダイルに怒鳴られたクレアさんは全く動じず淡々と告げる。
「ダイルさん。こちらのケントさんは、レイモンドが認めた冒険者ですよ?登録の際、一撃で気絶したあなたじゃ勝てませんよ?」
クレアさんがそう言うと周りの冒険者も驚いていた。獣人の冒険者で強いのは珍しい。なら驚くのも無理はないかもしれない。
でも、クレアさん。あまり情報を漏らさないで!クレアさんに俺より弱いと言われたダイルは剣を抜いて襲いかかってくる。
正気か?ギルドで剣を抜くなんて許されないだろ?ほら、クレアさんも
「ギルドで剣を抜くのは禁止ですよ。罰則になっても良いんですか?」
そう言って怒鳴る。だが、ダイルは
「うるせえ。ほら、俺より強いんだろ。躱わしてないでかかってこいよ。」
仕方ない。一応トラブルになんないよう我慢してたんだけど倒そう。クレアさんも見たら頷いてる。
「わかりました。」
俺は剣を躱わしダイルの懐に入り腹を強めに殴った。それだけで動かなくなるダイルです
「ケントさん。後は任せて貰って帰られて結構です!コレには思い罰を与えておきます。」
そう言って笑いながらダイルを指差すクレアさん。
「そうですか。じゃあ失礼します!」
俺はそう言ってギルドを後にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます