温かく包み込まれるような雰囲気で、とても素敵でした。
特に、やわらかい文の中にさらりと書かれている“かみ砕く”という表現が、個人的にはツボです。
優しいだけではない、妖怪っぽさがこの一語に表れている上に、他の部分との違和感もギャップ萌えレベルで丁度よかったです。
ただ読み返したら、一話目の表記は漢字になっていたのですが、なにか理由があったのでしょうか?
あと、ものすごーく些細なことなのですが、“いるか”の傍点はなくても大丈夫な気がしました。
おそらく読みやすくするために付けてくださったのだと思うのですが、あの文章ならなくても問題なく読めるかと。
私が気付いていないだけで他に理由があったらごめんなさい。
本当に「なくても大丈夫だと思いますよ-」というだけです。
最後まで温かいお話で、幸せな気分になりました。
ありがとうございます。
作者からの返信
かみ砕く/噛み砕くの混在は、うっかりミスです。気づいていませんでした!
そして、いるかの件は、ご推察の通りです。リズム的に句読点は置きたくないし、かといってカタカナでイルカよりはひらがなにしたい。でも読みにくそう、という事で傍点でした。ご指摘ありがとうございます。
楽しんで読んでいただけたようで、嬉しい限りです。こちらこそ、ありがとうございました。
す……素晴らしい(言葉が出てこない)。
設定、ストーリー、語り口、どれも完璧だと思います。
よーこちゃんが可愛いくて。もうだめ。でも、私たちとは相入れない存在だというところまできちんと描かれていて、お手軽ファンタジーとは一線を画しています。ほんと、すごい。
なるほど、川上弘美さんかぁ。『海石』は読んでませんけど、私も好きな作家さんです。『真鶴』とかすごく好き。
遅ればせながら、私もこの企画書いてみようかなーと思ってたのですが、ちょっとこれは書く気が……いやでも書きますけど。
ともあれ、本当に素晴らしい作品を読ませていただきました。ありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます。恐縮です。
そうなのです。川上弘美さんの真似なのです。設定など、ほぼそのままです。是非是非ご一読を。
川上さんは恋愛小説や、文学ものや、実験的な企みのものまで、本当にすごい方だと思っています。中でも初期の頃の、なにこの人シャーマン?妖怪?と思えるようなお話が大好きなのです。真鶴も、怖美しいというのでしょうか。凄いですよね。
楽しんでいただけたのであれば、嬉しいです!
吉岡梅さん! あー、幸せなひとときでした…。
のんびりゆったりなのに、最後まで一気読みでした。
もし、すぐそばにある異界と柔らかく繋がるなら、
こんな風がいいです。
(陽子ちゃんにかじられるのはごめんこうむりたい)
陽子/なあに
がもう、堪らなかったです!
素敵な時間をありがとうございました!
作者からの返信
ひょっとしたら、あるかもなあ、いるかもなあ、というのが怪異モノの楽しさのひとつなので、そう感じて頂けたのであれば嬉しいです。ありがとうございました。
可愛くて、切ない。
圧倒される世界観と文章でした! 素敵な物語をありがとうございました~!(*´▽`*)
作者からの返信
ありがとうございます。
怪異モノなのでどうかなあと思っていたのですが、楽しんでいただけたのであれば嬉しいです!
すてき!
泣きそうです。
なあに。
愛しい子猫が、呼びかけに振り向いてくれた時の様子を重ねてしまいました。うれしい。
愛おしい終幕でした。
作者からの返信
ありがとうございます。「別れ」のプロットのお話ですが、こう、「優しいお別れ」のような形にしてみました。
楽しんでいただけたのであれば、嬉しいです!
素敵でした。
作者からの返信
ありがとうございます。
楽しんでいただけたのであれば、嬉しいです!
はじめまして。企画から参りました。ふづき詩織と申します。
とても可愛い小説でした…。
まず、もくりこくりの語る豊かで少し不思議な情景と、単純ともいえる心情(「よくない」「かわいい」など)の文章的なギャップがとても素敵です。かわいい。
そしてもくりこくり(語呂が良いです)。浅学ゆえにもくりこくりが何なのか解りませんが、外見上可愛いとは言い難い生き物を想像しました。なのに、なんか可愛い…。語りの愛らしさの為せる技ですね!
一方で、熊楠に関する回想や海斗と陽子の「好き」の違いの部分で、こんなに可愛い陽子が実は得体の知れない海の生き物であることを思い出してハッとしました。
可愛いだけと思っていると喰われてしまうかもしれません…。
この世界観、思いのほか好みでした。新しい世界への扉が開かれた気がします。
ありがとうございました。
作者からの返信
ありがとうございます。そうなのです。もくりこくり、語呂がいいですよね。笑。海岸回りに伝わる、妖怪なのだそうです。
音の響きにひっぱられて、可愛らしいイメージで書いてみました。
そして、怪異モノの世界へようこそ!笑。
楽しんでいただけたのであれば嬉しいです!
すごい。パーフェクトではないですか。指摘はですね……うーん、しいていえば、スマホで読もうとした時にちょっと字がびっしりかな、と感じたことくらいです。それで今改めてPCで読んでいるわけですが、単に私がスマホで読むのに慣れていないせいだと思います。適度に改行が入っていますしね。
>下からにょろにょろ伸びてくる皆の頭をぺんぺん叩き、海坊主に襲われないよう、エイ達に無事海斗を浜辺まで送り届ける様に頼みました。無理やりというのは、駄目なのです。よくない。
ここの流れが特に素晴らしかったです。陽子の優しさが溢れています。
ぺんぺん叩くのがかわいいし、最後の「よくない」。
いやーすごいですね。拍手です。
作者からの返信
文字の密度的な物ですか。確かにこのお話ですと、もう少し減らした方が雰囲気も出そうですね。あまり意識してない項目でした。
優しいお話、との感想は嬉しいですね!なんだかんだで、そういうお話が好きなのです。笑。ありがとうございました。
うわっ、何コレ、すご〜い!
完全にやられちゃいましたね☆
一番ぶっ飛んだ作品を書いてやろうと思っていたのですが、この作品を超えるのは無理です。脱帽。
せめて、最高齢陽子ちゃんの座は渡さんぞ!とは思っているのですが。
年齢は後出しジャンケンが出来るので、あんま意味ないですよね?
戦う前から完敗です。
素晴らしい作品と邂逅出来ました。
乾杯🍻
作者からの返信
ありがとうございます。
恋愛モノというより、怪異モノのつもりで書いてみました。笑。
最高齢陽子ちゃん、どんなお話になるのでしょう。楽しみです。
はああああ…………とってもよろしい…………(仰臥
って、すみません、いきなり。
ご挨拶が遅れました、壺天と申します(礼
もう、御作がとっても好みで。
足跡ついでに、感想をば。
南紀というワードになじみがないために、『あーあそこかぁ』と察しをつけぬまま、さらっと読み始め。
熊楠というワードに『おーっとぉ?』っと、線が繋がりました。
色々言いたいことは出てくるのですが、一番良かったのは、陽子ちゃん(もくりこくり)の中にある、異なるモノの情感がとても異なるモノらしくて。
ああ、この生き物は、違うモノなのだと自然に思えました。
それが陽子ちゃんと海斗君の距離を感じさせて、優しい遣る瀬無さを抱きました。
陽子ちゃんの語り口も、ぽつぽつと湧き上がるような素朴な思いを述べるようで、物語に寄せる読者の心に柔らかかった、というか。
とても感覚的な感想で申し訳ないのですが、総括すると、とっても良いお話でした!という(笑
初めましてで長くなり恐縮です。
では、良い物語をありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます。そうなのです。熊野では、熊楠さん周りでは、不思議なことが起こっていて欲しい!という思い込みで書いてみました。笑。
そして、やはり、もくりこくりは人ではないので、その辺りの考え方や感覚の違いはきっちりと、ですが、当人にとっては当たり前のようにすっと出したいと思って書いてみました。楽しんでいただけたのであれば嬉しいです。
おはようございます、薮坂です。
読ませて頂きました。
まず一言。完成度が凄い!
いやなんですかこのお話。全く隙がなく美しく配置されたキャラクタ、ストーリー、表現、モチーフ。どれをとっても素晴らしい!
まず発想がすごいですよ。妖怪であるもくりこくりが人間の少年と出会うという、いわば「王道」のお話ではあるかもですけど、我々側ではない「もくりこくり」を語り部にしているのに、共感できる。せつなくなってしまう。
これは丁寧な筆致がそうさせているのでしょうね。本当に勉強になります。
いやぁ、完璧すぎて「あえて惜しいところをあげるとするならば」が言えない。絵本になったらすぐ買いに行きます!
素晴らしい作品を、ありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます。
ハロウィンも近い事ですし、怪異側に立って書いてみました。笑。
こういう怪異なら、こう考えるのかなあ、と相談しつつ書いていたので、うまいこと共感していただけたのであれば、嬉しいです。
こんばんは、南紀という言葉に惹かれて覗いてみれば、和歌山の妖怪のお話で驚きました。
もくりこくりは水陸両用の妖怪で、陸側の鼬に似た姿の話が多く伝わっているみたいですが海側がフィーチャーされていてよかったです。
熊楠に最初にもくりこくりのことが伝わったときも、クラゲのような姿と言われていたのでまったく矛盾がないですね。
素敵な文章で綴られる和歌山のお話、ありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます。海の怪異のお話という事で、舞台はどこかなあ、熊野かなあ、神島の子にしようかなあ、などと考えてるうちに、田辺周辺に落ち着きました。
実は海斗くんのお母さんは熊野の巫女で、家に遊びに来た陽子を見て、「あら、珍しい。連れて行かないでね」と正体を見抜いて釘をさすような展開も考えていたのですが、長くなるので止めたりしています。笑。
企画へのご参加、ありがとうございました。
やられました。完全に。いいお話でした。
冒頭の強烈なインパクトも去ることながら、もくりこくりの一個体が語り出す海の世界と人間の世界。読んでいて心地よくなる童話のような陽子の言葉の数々に、まず心が持っていかれます。
その理由が摩訶不思議な海の生命体だと判明してからは、「ちくしょうやられた!」と思わず天を仰ぎました。
ロマンチックです。とても。
御伽噺のようなロマンスでありながら、文章そのものはとても丁寧かつシンプルに構成されていて、読みやすい。文節の最後に陽子の感想がぽろっと添えられているのが可愛らしく心地よく、どんどん先に進んで行きます。
構成もしっかり要点を押さえ、「男女の出会いと別れ」「海天井の美しさを(月明かりに置き換えて)表現」「その後の二人の切なさ」が高いレベルで表現されていました。
圧倒的個性を持ちながら、隙が無い。この仕上げ方なら、学生の朝読小説にも使えそうです。お見事。
「目を向いてごぽごぽ」という部分が、誤字(目をひん剥いての剥いて)なのか、方角を指していたのかが分かりにくかった、のが唯一の指摘点です。
読者として非常に楽しませて頂きました。素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
ありがとうございます。恐縮です。
実はこのお話は、川上弘美さんの短編「海石(いくり)」というお話の設定をほぼそのまま拝借しているのです。いわば二次創作のようなもので、まとまりがよかったり、ロマンチックだったりするのは、そのためだと思います。
私は初期の川上弘美さんの、幻想的というか、現実と幻想を軽々と繋いでしまうような「やり口」が凄く好きで、企画とプロットを拝見して、「あ、あのやり口を紹介できそう」と思い、いっちょやってやるぜと参加させていただきました。笑。
機会があれば、川上さんのお話をご一読ください。私のこのお話は、いろいろとふざけたりしていますが、川上さんのお話は、それはもう、ぞっとするほど綺麗で、うっとりすること請け合いなのです。
また、今回も企画の立案ならびに運営、本当にお疲れ様です。ご無理の無いよう、楽しんで進めて下さい。私もまた、楽しませていただこうと思っております。
そうそう、「目を向く」の件、「剥く」の誤字でした!ご指摘いただいてありがとうございます。しれっと直しておきたいと思います。
読ませていただきました\(´ω` )/
おもしろかったです…!なるほど、こういう「さようなら」の理由があるのか、と読んでいて思わず納得してしまいました。
最後、海斗がよーこちゃんの名前を呼ぶところが、本当に切ないです…。よーこちゃんが涙を流したりできないのが、逆に虚しい。いつか二人が幸せになれるといいな、と願ってしまわずにはいられないラストでした。
作者からの返信
ありがとうございます。そうなんです。あらすじを拝見して、さようならの理由と、海面を陽子と呼ぶ理由ってなんだろうと考えて、これはいっちょ妖怪の仕業にするしかねえな、と変な方向に向かって舵を切ってみました。笑。
路線が路線なので、どうかなあと心配でしたが、楽しんでいただけたのであれば、嬉しいです。
陽子の語りが楽しくて、とても面白かったです。
可愛いけど、やっぱりちゃんと妖怪な陽子も興味深くて、熊楠さんみたくグイグイ行きたくなりました。
作者からの返信
ありがとうございます。
妖怪主観という事で、少し浮いたような書き方にしてみました。
楽しんでいただけたのであれば嬉しいです!