第3話

 少女の落とした涙は、遙か彼方、いにしえの力を求める者が君臨する場所へと続く。


 謳女の少女を抱く森は亡く、その元には少女に憎しみの瞳を向けられる物言わぬ白銀の巨人と、そして虚ろな目をした少年が居た。


 謳女が見せる夢に酔う、いにしえの力たち。


 過ぎ去りし、いにしえの諍いは再びその後ろ姿を見せようとしていた。


 少女たちは夢を謳う。


 力たちはその夢を見る。


 欲深き者は力を求める。


 この星に眠る、厄災の種は芽を出した。


 始まりの厄災を連れ、そして少女は謳う。


 虚ろの少年は、ただ少女と白銀の巨人が演じる夢を見る。


 ――END。

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