第42話 そして作者もいなくなった

 おす、おらマーティン! 今日は王立カルロデワ学園を代表して俺が新人戦について説明をするぜ!


 え、なんで一章でも特に見せ場のなかった上に、新人戦に参加していない俺が説明を担当することになったかって? そんなの、俺が現時点で登場しているキャラの中で最も情報通で、主人公であるレオルベンとも親しい仲だからに決まっているじゃないか!


 逆に俺が説明を担当しているのはみんなから信頼されているからだぞ! むしろここでシドニーみたいなのが出てきても大半は存在を忘れてるじゃないか! それに俺は今後大活躍する予定だから今のうちに名前を売ってたって罰は当たらないだろ! 


 ならいつ活躍するって? 具体的には五章辺りで苦戦を強いられるレオルベンの前に颯爽と現れて「隠していたが実は俺、前世で〇〇だったんだ。今こそあの時の借りを返そう!」といって美少女化するかもしれないだろ!


 とまあ、特に笑えない話は置いておいて、今日は新人戦について説明したいと思う。結局俺がこうして説明を引き受けたのは俺が特に役職を持たないからである。


 では説明を始るぜ。


 新人戦は毎年五月ごろに王立カルロデワ学園で開催されるイベントで、参加者はその年の新入生の中でも有望な学生たちである。だがこの新人戦における一番の目玉は精霊族との交流戦であり、観客の中には精霊族を目当てに来ている人までいるくらいだ。


 この精霊族を呼ぶのは王立カルロデワ学園を運営する王族政府と精霊族を統治する精霊王の友好の証としての意味合いが強く、単に興業のためという訳じゃないんだ。


 次に参加人数だが、必ず王立カルロデワ学園側から十名の新入生を出し、精霊族側からは有望な若手が五名出ることになっている。


 そしてこの十五名の参加者をトーナメント形式で競わせることで、その年の最優秀新人賞を決めるって訳だ。


 え、なぜ王立カルロデワ学園は十人も出すのに精霊族は五人しか出さないって? そんなの人族と精霊族の間には種族間の越えられない格差があるから、もし同数の精霊族が出てきた日には人族が一回戦で全員姿を消すことになるからに決まっているじゃないか。


 だから人族同士の一回戦も入れないと大会自体が盛り上がらないって訳よ。そして精霊族の一人はシード権を得て一回戦が免除されているのもそう言う理由さ。


 まあ例外がいるんだけどな。例えばティルハニア先輩とかオティヌスカル先輩は一回戦で精霊族が相手だったらしいけど普通に撃破したって聞いたことあるぜ。てか俺も観客席からその姿を見ていたんだ。


 まさかあの頃見た期待の若手たちが今では顔なじみになるんだから世の中何が起きるかわからないもんだよ。てか本当にレオルベンって何者なんだろうな。片や勇者科首席に「レオは勇者になるべき存在だ!」って言われて、一方では魔王科首席に「魔王様は魔王になられるんだ!」って言われるなんて前世で一体どれだけの善行を積んだらそんな人生送れるんだよ。しかも主人はラファミルさんで超かわいいし……。


 話が脱線しちゃったな。話を戻すと、新人戦は王立カルロデワ学園で一試合ごとに開催され、観客は学生なら自由にその戦いを見ることができる。街の人はチケットを買ったりと手続きが面倒だが、まあ俺らには関係のない話さ。


 前置きはこの辺にして、いよいよ新人戦の対戦カードを発表しようじゃないか。本当なら正式発表はもう少し後なんだが、俺の自前ルートで入手したぜ。情報通のマーティンさすが!


 これが対戦表だ!




 ラファミル

 新入生①


 新入生②

 精霊族A



 精霊族B

 新入生③


 精霊族C

 新入生④





 新入生⑤

 ガイエル


 新入生⑥

 新入生⑦



 ルイ

 新入生⑧


 スピール(シード権)



 対戦カードはこんな感じで、あとはこれをトーナメント表に埋め合わせればいいって訳だ。ちなみに線を書こうとしたけど見た目が汚くなったから消したぜ。なんかいいやり方を見つけたら直したいと思が、とりあえずこれだけでも伝えたいって訳だ。


 え、なんでトーナメント表なのに名前じゃなくて種族名なのかって? いや、だっていきなり十人以上の新キャラ名出したって絶対に覚えられないし、むしろ混乱するに決まっているだろ。それに名前でネタバレになっちゃうかもしれない。


 だからわかりやすく表記して、そのカードごとに名前を出そうと思ったんだ。決して名前を考えるのがだるかったとか、どうせ出ない奴もいるし名前なんて考えなくてもいいだろ、みたいなふざけた理由からではない。まあ前作の『落ちこぼれ魔法師と異端の力」でも同じようなことを言ってた気もするけど、あれに比べたらキャラ数少ないし! 頑張れば考えられたし!


 まあこうして俺がマーティンなのにキャラ崩壊を起こしているのは愛嬌として許してもらえれば嬉しい限りです。という訳で次回から新人戦がやっと始まります。新人戦編なのに十話以上新人戦始まんないのは想定外だったけど、明日から始めます。


 といっても今これを書いている時点ではまだ一章終わってないから明日出せるかは知らないけど……。

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