田舎の海で一人の少女と出会った少年。少女との出逢いで、少年の心の霞が少しずつ晴れていきます。そんな中、少女の秘密を知ってしまいます。それは悲しい過去でした。夏のロマンチックを切なく切り取った本作。散りばめられた伏線が最後に回収される様が美しいです。
同じプロットでお話を作る、という企画に参加されている作品です。同じプロットなのに多種多様の物語が紡がれる中、この物語はどこまでも真摯で、切なくて甘い。そんな物語です。 特筆すべきはその物語の構成力。配置している脇役や小道具までもが、全て「物語に必要不可欠な存在」となっている。なかなか真似できるものではありません。構成力にお悩みの作者さん、ここにとても良いお手本がありますので、是非ご一読を!