第4話、スキル発動!!

「こ‥‥こここここ」


「ニワトリ?」


「こ‥‥ここで暮らすってどういうことよ!!」


ウガーッと吠える幼女。

俺のボケは軽く流された。


「ここには魔王が来るのか?」


「はぁ!?あんた頭大丈夫!!」


心底呆れたって顔でウガーッと吠える幼女。


「いいから、ここに魔王は来るのか?」


「来るわけないでしょ!!」


「そういうことだ」


そう言って俺はその場で横になってくつろいだ。


「そういうことだ、じゃないわよ。冒険に行かない勇者がどこにいるのよ」


バカを見つけたって顔で幼女はガーっと捲し立てた。


「そういう奴が一人くらい居ても良いだろ。個性ってやつだな」


そう言ってニカッと笑う俺。


「そう。そっちがその気ならこっちにも考えがあるわ」


そう言って幼女はこちらに手を伸ばした。


幼女はいったい何をしているのか?

俺は首を傾げる。


「スキル発動!!」

すると、幼女の掌から炎がボッと現れ、サッカーボールほどの大きさに丸まりだした。


「燃やせ!!ファイヤーボール」

幼女がそう口にした次の瞬間、掌の炎のボールがものすごい勢いで襲いかかってきた。


「ちょっ‥‥嘘だろ、おいっ!!」 


幼女と言えど女神。魔法くらいは使えそうなものだが、まさかいきなりぶっ放してくるとは思わなかった。


ていうか、女神が攻撃してくんなよ。


「ふふん。あれくらい生意気な奴はちょっとくらい痛い目みた方が良いのよ」

そう言いながら清々したって感じで笑う幼女。


舐めたことを言い過ぎた。 


なんて後悔しているうちに、ファイヤーボールは俺の目の前まで迫っていた。


「ホントにやばい‥‥」


そのとき、俺の脳裏にあることが浮かんだ。


あいつ、さっきスキルって言ったよな‥


なら転生した俺にも対抗手段はあるんじゃないか?


そう。今の俺は新たなスキルを得たのだ。


くらいやがれツインテール幼女!!

これが俺の力だ!!


「スキル発動!!」


そう言って俺は手を前方に突き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る