第2話、あんたはロボットかー!!
「ん‥‥んー?」
「おっ、起きたかガキンチョ」
気を失っていた燃え尽きツインテールの幼女はパッと、目を開ける。
腰まで届くツインテールが「ふわぁ」と色を取り戻していく。
そして、幼女はこちらに気づく。
「笹瀬川サクト!!揺さぶり禁止!!」
幼女は眉間に皺を寄せて、ビシッと指を俺に突き立てた。
「‥‥なんで?」
「なんで‥‥って、あんなに強く人を揺さぶったら気持ち悪くなるでしょ!!」
すごく当たり前のことをすごく大声で言われた。
「それに‥‥」
「それに?」
「私は女神なのよ。だからもっと‥‥えっと、‥たいせつに‥尊敬して‥?‥違うな‥えっと‥‥あれ、なんて言うっけ?」
‥‥‥‥。
「もしかして、敬うか?」
「そう!!それ、ちゃんとうやまいなさい」
誇らしげに無い胸を張る幼女。
しかし、敬うが出てこない奴を敬う気がしないのであった。
「んで、漢字の読めない女神様が俺なんかになんの用だ?」
「ズバリ!!笹瀬川サクト。貴方は転生して異世界に行くことになりました!!」
「なんで?」
「魔王を倒しに行くのよ!!」
「なんで?」
「勇者になったからよ!!」
「なんで?」
「だ・か・ら・転生に選ばれたのよ。転生出来る人間は滅多にいないけど貴方にはその素質があったの!!」
顔を引きつらし、苛立ちを隠しきれないといった感じで吠える幼女。
「なんで?」
「なんで?禁止!!」
鋭い眼光でズバッと指を差される。
それに対し、俺は悪びれる様子もなく「なんで?」と返した。
「あんたはロボットかー!!」
顔が真っ赤になった。
キーッとか言ってハンカチでも噛みそうな勢いで怒る幼女。
俺は、目の前の女神(幼女)と居ると退屈しそうにないな、と思った。
べっ‥別にロリコンとかじゃないぞ。
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