黒猫、竜の眷属となる


([ステータス]!!)


 腕の水晶の上に半透明の画面が浮かび上がった。


 ◇ステータス◇===============

【名前】ミユナ・アマリ 【年齢】15(孤児)

【種族】獣人(猫) 【状態】正常

【職業】旅人

【称号】申し子[かわいい黒猫]

【賞罰】精勤賞

 ◇アビリティ◇===============

【生命】2100/2100

【魔量】45291/45291

【筋力】63     【知力】76(-5%)

敏捷びんしょう】13(+20%)【器用】83

【スキル】

 魔法 86 料理 10 書写 81

 存在質量 92

【特殊スキル】

 鑑定[食物]10(+20%)

 申し子の言語辞典 申し子の鞄 四大元素の種

 魅惑の黒猫(語尾にニャがつくことで魅惑+30%)

 竜の眷属けんぞく

 ノームの靴 シルフィードの指




 …………。

 ツッコミどころとナゾしかない。


 名前とか年齢はいいとして、【職業】が旅人って! 流離さすらいの黒猫だから? それじゃしょうがないな。


【賞罰】もよくわからない。皆勤賞みたいなのかな。そういえば、中学三年間皆勤賞もらったっけ。

 魔法鞄に手を突っ込みスキルガイドブック! と念じると、すぐ手に本が乗った。


 開くとアビリティについての説明も書いてあった。



 〇【生命】女性平均1000前後、男性平均1500前後、2000あれば国軍兵を目指せます。種族によりバラつきがあり、獣人・ドワーフ・エルフは多めで、魔人は少なめです。


 ――――――――2100あるけど、国軍兵なんて目指さないよ!



 〇【魔量】平均1000前後、3000以上ある者は魔法職をおすすめします。種族によりバラつきがあり、魔人・エルフは多めで、獣人・ドワーフは少なめです。


 ――――――――――――45000って……。もうぜっぜん意味ワカラン。



 〇【筋力】【知力】【敏捷びんしょう】【器用】は上限100で訓練やスキルの使用などにより上下します。カッコ内は種族ボーナス値のことが多いです。


 ――――【敏捷】13…………。私の素早さは死んでる…………。

 種族ボーナスがあったって焼け石に水ってやつだよ! そりゃ事故で助かるわけなないよね!!



 〇スキルは上限100で該当する作業を行うことで上がります。

(例)料理を作るとスキル〈料理〉が上がります。

 関連するスキルがある場合、複数スキルが上がることがあります。

(例)動物を調教するとスキル〈調教〉〈動物学〉が上がります。



 〇魔法:魔粒と魔力(魔量)を使いいろいろなことをするスキル。魔法系スキルの基礎。30で初級魔法、60で中級魔法、90で上級魔法の全部が使用できます。詳細は魔法書にて。


 ――――魔法なんて使ったことないよ! なんでこんなにスキル値高い?! もしかして大量に読み漁った異世界魔法小説とマンガのせいか?!

 確かに魔法はイメージとか言うなら、すぐに使える気がする。うん。



 〇料理:料理をするスキル。自炊をするなら30あると安心です。


 ――――10しかないから、自炊するのに安心じゃないらしい。はい、ここのごはんを食べます!



 〇書写:魔法陣を書くスキル。成功判定のほとんどを魔法スキルに依存。使用頻度の高い[位置記憶](魔法スキル値75)の魔法札を作成できるようになれば魔書師として稼げます。


 ――――うん? ちょっとだけ心当たりがあるな。ノートにいっぱい書いた。主に授業中。だってカッコイイもん、紋章とか魔法陣って。

 細部にまでこだわって書いた、蒼き風の召喚魔法陣が役に立つ時がくるとは! 完全に私のターン!



 〇存在質量:威圧したり気配を消したりするスキル。95以上でほぼ完全に気配を消せます。


 ――――すごく心当たりがある! 授業中に気配を消す自信あるよ! 当てられたことないよ! ただし、番号順では効果ナシ!



 〇特殊スキルについて。特殊スキルは持っている人があまりいないため、詳しいことがわかっていません。もし特殊スキルがある場合、悪用されないように絶対に他者へ漏らさないようにしてください。


 ――――正直、これが一番聞きたいんですよ! わけわかんないのばっかだもん。これが神様がいうところのプレゼントだろうなぁとは思うんだけど。


 申し子の言語辞典ってのは、この言葉に困ってない状況が答えかな。

 申し子の鞄も、魔法鞄のことのような気がする。

 残りはさっぱりわからん。でも竜の眷属けんぞくはちょっとカッコイイよね。


 ――――我こそは竜の眷属である。 イイ!




 ちなみに【称号】申し子[かわいい黒猫]に関しては、全力で無視した。


 恥ずかしすぎるっ!!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る