第10話
おうちに来た小っちゃい人間がちょっとだけ自分で動くようになった頃、くるくるの毛の男の子が朝目が覚めても起きてこなかったの。
いつもなら食いしん坊のくるくるの毛の男の子は朝ごはんを食べるのにすぐに起きてくるのに。
人間の男の子はくるくるの毛の男の子が起きてこないのを見つけるとすぐにどこかへ連れて行ったの。しばらくして戻ってきたのは人間の男の子だけ。
くるくるの毛の男の子はそれから2回位夜が過ぎた頃に帰ってきたの。でも身体は冷たくなっていて何にも動かなくなっちゃってたの。
わたしも身体があまり動かなくなってきたけど、くるくるの髪の毛の男の子はわたしよりも先に身体が全部動かなくなっちゃったんだ。
わたしにちょっかいばかりかけてきて、食いしん坊で、自分のうんちまで食べちゃって、子供とは本気で喧嘩して、散歩の時は誰にでも吠えちゃって、まるまる太ってて、憎たらしいけど、ずーっと一緒にいたあの子はもういないんだ・・・
わたしの身体もどんどん動かなくなってきてるし、そう遠くないうちに何にも動かなくなっちゃうと思うんだけど、わたしよりも先にいなくなっちゃうとは思わなかったなぁ・・・
あとどれ位かかるか分からないけど、もうちょっとしたらわたしも同じ所に行くからそれまで待っててね。そしたらおっきい女の人とおっきい男の人とみんなで遊ぼう。
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