第9話

おっきい女の人が写真になっちゃって、おうちにはわたしとくるくるの毛の男の子と人間の男の子だけになっちゃったんだけど、しばらくしたら人間の男の子が女の人を連れてきたの。


新しくきた女の人はおうちに住むようになって、わたし達のご飯をくれたりするんだけど、わたしの大好きだったおっきい女の人みたいにいっぱい撫でたり抱っこしてくれたりはしないの。


ちょっと私たちのことを怖がっている感じがするの。男の子は変わらないいつもと変わらずに散歩に連れて行ってくれたり、オヤツをくれたりしているの。



男の子はとっても大きくなってもう大人だけれど、わたしとくるくるの毛の男の子もだいぶ歳をとったの。歩くのは大丈夫だけど走るのはもう大変になっちゃったし、目の前の景色がよく見えなくなっちゃったの。くるくるの毛の男の子よりわたしの方が長く生きてるけれど、身体は同じくらい弱ってきちゃったみたい。最近はあまりちょっかいを出してこなくなったもの。



ゆっくりとわたしの身体が弱っていくのを感じながらのんびり毎日を過ごしていると、わたしのおうちに新しい人間がやってきたの。



その人間は今まで見てきたどんな人間よりもちっちゃくて、すぐに泣いて、自分で歩くことも物を食べることもできない子なの。


わたしの子供達が小さかった頃を思い出したの。わたしが子供達にしていたように、新しく来た女の人もずーっと小っちゃい人間と一緒なの。

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