【理系】ハロウィンの花嫁の爆弾は一体?化学的に考えてみた

劇場版第25作のハロウィンの花嫁に登場する赤色と青色の液を混合させることで爆発を起こすという二液混合爆弾は一体何なのかを理系的な観点から考えようと思う。


まず公安が爆弾の液の効力を消すための行為を“中和”と表現しているから赤色と青色の液は酸・塩基であるということではなく、我々が理解しやすくするための比喩的表現である。これが比喩でないと液に浸かった子供たちやナーダ・ウニチトージティの人たち等は酸または塩基で身体が蝕まれていることになってしまう。特に銃弾を受けて怪我をしていた高木刑事が液に触れているわけで液体によって身体が蝕まれているという描写がないのでそれは考えられない。


一応、世の中には二液混合型の爆発物なるものは存在していて例としてはTNT(トリニトロトルエン)と硝酸アンモニウムからなるアマトールやTNTとHMX(シクロテトラメチレンテトラニトラミン)からなるオクトールなどがある。


今回の映画での爆弾として有力なのはPLX(Picatinny Liquid Explosive 通称:ピカティニ)でニトロメタンとエチレンジアミンを混合したものである。これは運搬時は別の容器に入れておき、起爆直前に混合するという条件にぴったりである。映画を見た限り、青色の液の方には粘性があったので青色がニトロメタンであると考えられる。


ただ混合したときがわずかに黄色がかっていてニトロメタンは無色粘性の液体でエチレンジアミンは無色透明の液体である。このように色の相違点がある。


毒物及び劇物取締法の第3条の2に記載があるように特定毒物は着色することが義務付けられている。映画で登場した爆弾はそのように自らで着色している可能性はある。無色透明の液では区別がつかないので意図的に色をつけていると思う。


こう考えるとプラーミャはただ単に指先が器用で精密なことが出来るだけではなくて化学の知識にも長けているのではないかと思える。それをもっと別のところで使えよとどうしても思ってしまう。





◎参考文献

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/PLX

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%81%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%B3

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B7%E5%90%88%E7%88%86%E8%96%AC

https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0886.html

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