第2話
あれから毎週水曜日は図書室に行くようになった。彼女の部活が休みで来るのが水曜だけだったからだ。少しずつ話すようにもなった、
オススメの本を選んでもらってそれを読む感想を言い合う。たったそれだけ、でもその時間が幸せな時間だった。今日も図書室に行くと彼女がいた
俺はいつも通り隣の机に座り本を読む。
チラッと横を見ると綺麗な顔が見えた。
(本当に可愛いな...)
見てることをバレるのが怖くてまた本を読む。
気がつくと辺りは暗くなっていた。俺は図書室の電気をつけた。彼女は眉1つ動かさず本を読んでいる。こんなに暗くなるまで夢中になって本を読む彼女がより魅力的に感じた。
本を読むことに少し慣れたのであの時のヘミングウェイを読んでみた。分かったことがある、やっぱり俺と彼女は全く違うことに、ここに来ることがなかったら気づかなかったかも知れない。そもそも教室では話すことがなかった。
でも俺はやっぱり彼女が好きだ。自分でも不思議なくらいに、
「ねぇ、またヘミングウェイ読んでたの?笑」
「んん...ん?、あれ、また俺寝てたのか...俺にはまだちょっと早かったみたい笑」
「ふふっ...でも挑戦するのはいいことだと思うよ?はい、これ今週の分」
「サンキュ!この前のミステリーは面白かったなぁまさか犯人があいつとは思わなかった」
「びっくりしたよね!私も別の人だと思ってたもん...あっ、もう閉まっちゃうみたいだね、」
「そっか、じゃあまた明日だな」
「よかったら、一緒に帰らない?もっと語り合いたいし!」
思いがけない状況になった、素直に嬉しい
「お、おう!もちろん!」
その日の夜は興奮して寝れなかった。
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