楽曲妄想小説2
風のレッサー風太
第1話
初めて行く場所って緊張するものだ。
今俺はめちゃくちゃ緊張している。
図書室に来たのは初めてだ。何故来たか?
ずっと気になっている人がよく行くのを知っていたからだ。静かに本のページをめくる音だけがする。この空間ここだけ世界が変わったように思えた。
1番奥の席で静かに本を読んでいる。とりあえず適当な棚から適当に本を取って彼女と席を何個か挟んだところに座って本を読んでるフリをした。
彼女の横顔はすごく綺麗だった。
彼女は落ち着いたその雰囲気からは想像できない、アイドル部というものに所属していた。友人からは、あやめんと呼ばれていた。
そんな愛されている彼女、
クラスで騒いでる俺とは正反対だ。
彼女が席を立った。きっと読み終えたのだろう。いつも教室で読んでいる時もものすごいスピードで読み毎日違う本を読んでいたのを覚えている。
自分も読んでいるフリをしていた本を持ち席を立った。偶然のふりをして覗こうか、このまま隙間から見える彼女を見ていようか...ふと我にかえり別の棚に行きまた適当に本を取ろうとする。そういえばこの前教室でなんちゃらウェイって人の本を読んでいたのを思い出した。その本を探して手に取る。
見ていたのをバレないように取った本を読んでみる。窓から入った風がカーテンを膨らませ彼女を髪を仰ぐ。活字が苦手な俺が図書室に来て本を読んでいる。今まで考えられない事をやっている自分に驚く、彼女のおかげだろう感謝だ、ペラペラと読み進める。
「なんだ面白いじゃん!」どんどん読み進めていると、
遠くから声が聞こえた気がした
「...ねぇ、ねえ、おーい」
「んえ?」顔をあげると彼女が目の前にいた。
突然のことすぎて声が出ない
「おはよう?よく寝てたね本読むの苦手ならヘミングウェイはまだ早いんじゃない?よかったらこれ読んでみて?」
彼女は1冊手に持っていた本を俺に渡し微笑んだ。
「あ、ありがとう」
「どういたしまして!あともう図書室閉めるってさ、早く準備したほうがいいよ、じゃあまたね」
「おう...またな...」
まだ心臓の鼓動が早いのがわかる顔も真っ赤なんだろう。
ふと手元にあった本を見ると2ページしか進んでなかった。
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