街の日々


 突然に明るい光の下にいます。

 小さな部屋でした、私は死んだ時そのままの姿のようです。

 空腹と疲労で、寝台の上にふせっています。


 何か機械のような物が、一杯出て来て、私を隅々まで計測します。

 たとえ娼婦に身を落としても、これほどの恥ずかしい目に遭うとは……


 そして、いつしか私は眠りに入ったようです。


 目覚めると、まだ寝台の上です、でも身体が何故か軽くて……

 いつも空腹で、だるいはずなのに……

 見るとドアが一つあります。

 私はそのまま部屋をでました。


「いらっしゃい、サリーさん。」

 見知らぬ少女が立っていました。

 十三四でしょうか、見たことの無いほどの美少女です。


「貴女は?」

「私はアリス、この街の管理人、所でサリーさん、その姿はいかがなものかと?見事な容姿とは理解できますが……」


 しゃがみこんでしまった私でした。


 そのアリスと名乗った少女は、すぐにタオル生地で作られた、バスローブと呼ばれる服を、持ってきてくれました。

「とにかく、これを着てください」


 アリスさんはそう云うと、私を、どこか食堂のような所へ、案内してくれました。

「とにかく空腹と、お聞きしています、まずは何か食べなければ、一緒に食べましょう。」

「この町は、黒の巫女様の世界の縮図、食べ物もエラムとは違いますが、我慢してください。」


 アリスさんはスープをだしてくれました、金属製の容器に入っていたものを、鍋に入れて温める物のようです。

 温かくなったところで、パンだろう物をだしてくれました。


 おいしいですが、とても固いです、何でも乾パンと呼ばれるものだそうです。

「すいません、私、料理はとても下手なのです」


 すこし落ち着いてきた私は、

「私もです、料理などは、売られる前に母を手伝っていたぐらいで、なにも教えられていません」

「でも、とても温かでおいしいです、もう何年も、食事という物は、まともに食べていません」


 そう、私の主人は食事を犬に投げ与えるように……

 この様な温かな食事は、いつごろ食べたのでしょうか……

 私はスープを口に入れながら、泣いていたようです。


 アリスさんは黙っていてくれます、そして私の涙が止まるのを待って、

「お風呂に行きませんか?」

 と、云ってくれましたが、お風呂ってなんでしょう?


 アリスさん、とても驚いたようで、

「身体を洗う事です、大きな容器にお湯をいれて、そこに浸かる事です」


「身体を洗うのは、タライに水を張って、それで身体を洗うと思いますが?」

「水で?」


「はい、だから寒くて……夜に身体を洗うのは嫌いなのですが、昼間はお客がいますので……」

 ここまでいうとアリスさん、物凄く憤慨したようで、

「こんな綺麗な人に、何という事を!入浴というのは、一日の疲れを取るものです、私と一緒に入りませんか?」


 有無をいわさずに、浴室という場所に連れて行かれました。

 そこでアリスさんは、躊躇なく裸になり、「サリーさんも早く脱いで!」と、いいます。


 裸になり、いわれるままに、かけ湯という物をして、湯船という物に入ります。

 生まれて初めて、満々としたお湯につかりました。


 そういえば、ホラズム当たりの王侯貴族には、お湯に入る風習があるとか、聞きましたが……

 気持ちいいです……


 アリスさんを見れば、お湯にプカプカと浮かんでいます。

 あの、アリスさん、その……大事なところが……


 物凄い美少女が、そんな無防備な……


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