疑似恋愛がしたかった
そんな訳で作品の舞台は海に決まりました。
続いて、どんなお話にするか、という所なのですが、ここはすぐに決まりました。
恋愛要素を入れよう、と。
海、といえば私にとって思い出深いことがあります。
専門学生の頃、とても仲が良かったグループがありました。今でもとても仲良しなのですが、彼らは各々の楽器でトップクラスの成績・実力を持つ人達で、中でもポップス・ジャズ・ブラックミュージックに傾倒した人達でした。どちらかといえばクラシックの色が濃い学校において、ポップスプレイヤー達は肩が狭い想いをしていたということもあり、私達はすぐに仲良くなりました。偶然、それぞれのセクションにちょうど一人ずつというバランスの良さもあって、バンド活動を開始、暇を見つけてはセッションに明け暮れていたのです。
そんな仲良し男女グループは常に一緒にいた訳で、お互いの恋愛事情も丸裸でございます。悩みや愚痴を聞いたり、時には応援したり。親友、という言葉がぴったりの間柄です。
私は思いました。いつかこのメンバーで海に行けたら。音楽以外のアクティビティも一緒に楽しめたら、最高だろうな、と。
しかし私はおいていかれました。
そう、おいていかれたのです。
理由は簡単です。その時たまたま、私だけが恋人がいたから、です。
どういう訳かその夏、仲良しグループは失恋の嵐に見舞われました。それまでは順調だったのに、夏を迎えた途端に、みんなが別れてしまいました。
そこで、「失恋忘却」をテーマに、専門学校の「一人の人」達が集って海にでかけたという訳でございます。
私がそれを知ったのは、夏の終り、季節外れのインフルエンザで寝込んでいる頃でございまして。当時の恋人が私を看病する傍ら、「○○達、海に行ったんだね」と言って送られてきてた写メを見せてくれたことがきっかけでした。
もうそれはそれはショックでした。
連れて行ってもらえなかったこともショックなのですが、理由が理由なので、先んじて教えておいてくれても良かったじゃないかぁ……と、その晩からますます熱発した事は言うまでもありません。
実際にこのネタは集う度に話題にあがり、私もどうせなら毎回言ってやるくらいに思ってはいるのですが、
とにかく、専門学生にとっては、思い描く大学生活ほど自由時間はありませんし、キャンパスライフのキャッキャウフフなんてなかなかない訳です。その貴重な機会を逃したという事実は、実にくだらないことなのですけれど、私の魂に刻まれている訳です。
なので、海。なので、恋愛!
そんな訳で、海が太陽のきらりは、
・海がみたい
・恋愛がみたい
そんな私の願望が生み出したプロットでした。
さて、動機と自分語りはここまでにして、作品についての総評を始めたいと思います。
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