第93話 何事もほどほどに 1

私は横井さんのリハビリ担当、松本かな。

最近、横井さんの様子って言うか、ケガの回復が遅い事に少し疑問を感じていた。

頑張ってリハビリする姿や、人に対する態度も何だか明るく接していて、何の問題も無いのだが、すごく痛がっていて、無理をしているように見える。

一度、相談した方がいいと思い、会社の先輩に相談を持ちかけた。


先輩が言うには、気負い過ぎて、リハビリ時間以外でも無理をしているのじゃないか?と言う意見だった。

私もそんな感じはしていた。

横井さんは頑張りすぎる所があるから、逆に回復が遅れてるのに気付いていない!


上司からは、2~3日リハビリ中止で、様子を見ようと言う事で、この事を横井さんに報告をしに行った。


「横井さん、2、3日はリハビリ中止になりました」


「え?何でですか?」


やっぱり回復が遅れてる事には、気づいてない。

その遅れの原因を探るために、あらいざらい白状させようと、聞き込み調査をした。


「リハビリ以外でも、何か無理をしていませんか?」


「・・・・病室でスクワットとか・・・・」


「痛みがあるうちは、無理したらダメだって言ってるじゃないですか!!逆に回復が遅れるから、頑張りすぎもダメですよ!!」


「・・・・・はい・・・わかりました・・・すいません・・・」


「うん!分かればよろしい(笑)」


まじめな横井さんの事だから、早く社会復帰って考えて焦っているんだろうと思う。

でも逆効果で、頑張りもほどほどにしないと回復が遅れて、入院が長引いてしまう。

しかしながら、心の方は、彼女さんのお蔭なんだろう。

明るく、前向きになっているのが感じられて、少しはホッとした。

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