第81話 一恵ちゃんのリベンジ (1)

ちょっとした やきもち で去年の夏祭りは、直樹くんに悪い事をした。

今年はもう付き合ってるから、思いっきり甘えようと心に誓っていた。

待ち合わせは、駅前の公園。いつも通り。

「今年も浴衣を着てくるの?」と直樹君から言われたが、ちょっと訳があって着なかった。


待ち合わせ場所に、直樹くんらしき人が近づいてきたが、妙に顔が黒くて、

ぱっと見では分からなかった。


「一恵ちゃん、お待たせ~」


「・・・あの~どこの黒人さんですか?(笑)」


「・・・おいおい(笑)」


「ごめ~ん(笑)でも、別人に見えるよ~。すごく焼けたね~~」


「外仕事だからね、仕方が無いよ。おかしいかな?・・・・・」


「ううん!全然!!頑張ってる証だもんね!!!」


「でも、顔しか焼けてないから、半袖のTシャツで外出は恥かしいんだよね・・・

だから長袖を着てるわけ。まさしく土方焼けってやつだね」


「左手の方は大丈夫なの?ハードなお仕事でしょ」


「今の所は大丈夫。寒くなると分からないけど。去年は痛くなったからね・・・」


そう言うと私は、直樹くんの左手をそっと握りしめた。


「無理はしないでね!!!・・・・・・・それじゃ~行こっか~~♡♡♡」


とりあえずは、夜店へと直行した。

少しだけ直樹君におねだりをして、わたがしと焼きそばを買ってもらって、人気のない、花火も見れる場所に移動した。


「少し薄暗いから、直樹くんの顔が見ずらいなぁ~(笑)」


「まだ言うか!!!(笑)」


そう言いながら、顔を近づけ、軽くキスをした。

甘えながらも、積極的にいく!!!そんな作戦だ!!(何の作戦??)

直樹くんは奥手だから、私から積極的にいかないと何もしてくれないからなぁ~。

でも、それだけ大事に思っててくれてると分かっているから、そんな所も大好きの

要因の1つだけどね♡♡♡


二人で1つの焼きそばを、私が食べさせてあげた。


「あっ!ソース付いてる!」


そう言って直樹君とキス!!!


「わたがしを食べるのって本当に久しぶりだなぁ~」


「私も久しぶり~。子供の時以来かも~」


お互いに食べ終わった後。


「あっ!わたがし付いてるよ~」(ウソ)


そう言って、お互いに甘さが残る唇にキス!!!

こんな積極的な女の子は嫌いかな?直樹君♡♡♡。





ど・・・どうしたんだ・・・・今日の一恵ちゃんはすごく積極的だ!!!

3年生って大変な時期に入ってくるから、勉強のストレスもあるんだろうな。

俺が、あぐらをかいて座ってる所に、一恵ちゃんが チョコン と体育座りで

俺に、よしかかってきた。

静まり返る周りの中、二人は花火が上がるのを待っていた。

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