第61話 ケジメ
気分がいいと、仕事もはかどる。
テキパキと仕事をこなすけど、ちょっと暇になったら、ボーーーーと加藤さんの事を考えていた。
そこに、田口さんの横ヤリが突き刺さる。
「先輩・・・・・・顔がニヤついてますよ~~。ちょっと気持ち悪い~~(笑)」
「そ・・・・そんなことないぞ~~~~」
「はいはい!!もうわかってますよ~~。あの人と上手くいったんですね~~~」
「ぐ・・・・・・・・いつもながらに鋭いな・・・・・・・」
「誰が見てもわかるくらい、顔が、トローーーーンとしてましたよ~~~(笑)」
「俺って・・・・・そんなに顔に出るの??」
「いつもの、キリッとした顔が、崩れていますからね~~~~(笑)」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「おめでとうございます!あ~あ!私を置いてきぼりにされちゃった~~(笑)」
(内心は、凄く悔しい)
「それでも、かなりの苦難があったからね!!」
「でも、今が幸せならいいじゃないですか!先輩もちゃんと青春してますね~!」
「田口さんも、その好きな人に、告白すればいいじゃん!」
「そんなの出来るわけがないじゃないですか~~~~!」
「え?なんで??」
「出来ないものは出来ないの!!(先輩の事ですよ~~~~この鈍感!!!)」
土、日は休みが取れないため、デートをするにはちょっと難があったが、あの場所で会ったり、学校帰りに、ショッピング行ったりで、二人のリア充ライフは、充実していた。
しかし、そんな幸せ絶頂の、このタイミングだった。
仕事から帰り、家でTVを見てた時、何か聞き覚えのあるエンジン音が聞こえてきた。
まさか・・・・・・・・・そう思い、ばれないように、カーテンの隙間から確認してみたら、やっぱり、今村さんの車だった。
3カ月以上も、何の連絡もしてこないのに、今更??
そう思ったが、確かにハッキリ別れたわけじゃない。
とりあえず、今日の所は、頭の中が混乱してるから、会わない方がいいな!
そう思い、そのまま無視してやり過ごした。
もし、次に来たときは、ちゃんと『ケジメ』つけないと・・・・
この事を、加藤さんに言うべきなのか?それでも俺は悩んでいた。
変に言って、心配かけさすより、すべてが終わった結果だけ報告すればいいかな。
俺はそう思っていた。
だいたい、次がいつ来るかもわからないし、もう来ないかもしれない。
さすがに、無視されたら、察するだろうとも思っていた。
しかし、察することもなく、次の日の夜。今村さんは来ていた。
俺は、最後の終わりを告げに、今村さんと会うことにした。
「な~お~き~。久しぶり~。元気だった~??」
「ここじゃ何ですから、近所の駐車場で話しましょう」
そう言って、車に乗り込み、長居は禁物と思い、駐車場へと向かった。
「なおき、私が居なくて寂しかった?」
「いえ、全然!!」
「何か怒ってる??」
あっけらかんとした、今村さんの態度に、むちゃくちゃ腹が立った。
「正気で言ってるんですか?
もう、何も言いたくないけど、これだけはハッキリ言わせてください!!!
もう、からかうのは、いい加減にしてください!!!
二股OKなんて人がいますか?それか、俺はキープ君なんですか?
仕事に対する考え方が、俺と似てたから好きになりましたけど・・・・・・・
男にだらしない八方美人タイプは嫌いなんです。
だから、もう二度と家にも来ないでください!!!!」
「だ・・・・・だって、なおきも大丈夫って言ってくれたから・・・・・」
「大丈夫な訳ないじゃないですか!!あの時は、言う言葉が思い当たらなくて言いましたけど、普通に、こんな事を言える人なんて、頭おかしいでしょ!!!!」
「・・・・・・・わかった・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・」
そう言って、今村さんは、もう来ない約束をして帰っていった。
俺は、頭に血が上り、冷静ではなかったが、言う事はちゃんと言った。
あとは、この結果を、一恵さんに報告しなきゃと。、ラインで会う約束をした。
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